㈱日本製鋼所は12月27日、アクリル樹脂ケミカルリサイクル用の二軸混練押出機「TEX」を、住友化学愛媛工場(愛媛県新居浜市)のケミカルリサイクル実証設備向けに納入したと発表した。
プラスチックは日々の暮らしに欠かせない素材として活用されている素材だが、主に化石資源を原料としていることから、製造から使用後の処理までの過程で排出される温室効果ガス(GHG)の削減が課題となっており、廃棄プラスチックの再資源化は、その解決に向けた有力な手段の一つ。
今回の技術実証は、自動車や家電、液晶ディスプレイや飛沫防止板など幅広く使用されるアクリル樹脂を熱分解し、その原料であるメチルメタクリレート(MMA)モノマーに高効率で再生するものです。同社の二軸混練押出機「TEX」は、アクリル樹脂のMMAモノマーへの分解を高効率で実現可能。この技術により再生されたアクリル樹脂は化石資源から製造された通常のアクリル樹脂と同等の品質を持つ一方、製品ライフサイクル全体のGHG排出量を60%以上削減できる見込み。
日本製鋼所は、広島製作所(広島市安芸区)に、プラスチックのリサイクルに関する技術開発センター「リサイクルテクニカルセンター(RTC)」を2022年11月に開設している。RTCを活用して同社が蓄積したノウハウの提供と課題解決を図りつつ、持続可能で豊かな社会の実現に貢献していく。