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川崎重工、建設機械向け電気リモートコントロールユニット「ERUシリーズ」が国際規格認証を国内初取得

 

 川崎重工業は11月30日、建設機械用電気リモートコントロールユニット「ERUシリーズ」において、一般財団法人日本品質保証機構(JQA)の協力のもと、機能安全設計に関する国際規格IEC 61508およびISO 13849への適合に関するTÜV-NORD(テュフ ノルド)認証を取得したと発表した。TÜV-NORD認証を油圧機器メーカーで取得するのは国内初となる。

 機能安全設計とは、制御システム等の設計段階において要求の安全レベルを担保するための設計的な配慮を織り込むことを指し、同国際規格はそれを規格化したもの。近年、欧州市場における建設機械でも同国際規格への適合ニーズが高まってきており、その構成要素である電気リモートコントロールユニットにおいてもその適合が必須の状況となりつつある。

 今回、「ERUシリーズ」がグローバル認証機関であるTÜV-NORDによる認証を受けたことで、同国際規格による機能安全要求を満たしていることを客観的に示すことができるようになった。これにより顧客の建設機械システムの機能安全設計に対して、より信頼性の高いエビデンス提供が可能となった。

 川崎重工が開発・提供している電気リモートコントロールユニット「ERUシリーズ」は、パワーショベルなどの建設機械の操縦用途向けで、近年の電気制御化の進展に伴って、従来の油圧式からの置換としてその適用が増加しつつある。信頼性の高い電気制御ユニットを組み合わせたものであり、建設機械で求められる操作性と厳しい耐環境仕様に適応している。1990年代初頭にシリーズの初代を開発・量産開始し、以降約30年間で、電気ジョイスティックERU2を中心に、累計で55万台の受注(納入)実績を有している。

 今回の認証対象は、電気リモートコントロールユニット「ERUシリーズ」に使用されるCAN通信仕様のユニットであり、ニーズに応じてジョイスティック(ERU2)、レバー(ERUS1)、ペダル(ERUP)製品に 適用が可能。いずれも安全性の区分レベルは、IEC 61508はSIL2、ISO 13849はPLdに対応している。TÜV-NORD認証を取得したことで川崎重工製品の安全性が世界標準で証明され、今後も信頼性の高い製品をマーケットに提供し続ける。

 川崎重工は今後も、これまでの実績と技術力を広く活かしながら、さらなる顧客目線の製品価値向上に努め、建設・インフラ工事の安全や生産性の向上を通じて人々の豊かな生活の実現に貢献していく。

 詳細は、ニュースリリース

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