・36万kW級GTCC発電設備3、4号機2系列の高効率化と脱炭素化を図る
・M701F形ガスタービン2台に最新技術を導入、出力および発電効率の向上を実現
・年間1万6,900トンのCO2排出量削減に貢献、2023年内の完工を目指す
チュアスパワー社の発電所は、シンガポール南西部に位置している。同社に三菱重工は、2001年以降累計で4台のガスタービンを納入。出力はいずれも36万kW。
今回のアップグレード工事には、最新のガスタービン技術を導入する。冷却空気量を削減することにより熱効率の向上に結び付け、2系列合計で年間約1万6,900トンのCO2排出量の削減が可能となる。
今回の契約締結を受け、チュアスパワー社副社長のチェン・ティンスワン(Cheng Tin Swan)氏は次のように述べている。「当社はシンガポールを代表する発電会社の一つとして、自国の脱炭素化の取り組みに尽力しており、今回のガスタービン更新を機に、当社の事業において新機軸となる持続可能性の追求に向けた新たな一歩を踏み出すものです。このアップグレードにより、発電所からのエネルギー供給を損なうことなく、CO2排出量を削減しながら発電できるようになります。エネルギー効率の改善を実現するのに役立つ優れた技術的専門知識を持つ三菱重工のような企業と協力できることを喜ばしく思います」。
受注に際し、三菱重工グループの現地法人Mitsubishi Power Asia Pacific Pte. Ltd.の代表取締役兼CEOである大野 修氏は、次のように述べている。「三菱重工は、チュアスパワー社に発電設備を納入するだけでなく、長期保守契約の提供を通じてお客様設備の高い稼働率の実現を支援してきました。同社との長年の関係を発展させ、シンガポールでのクリーンな発電の推進を支える重要なガスタービンのアップグレード工事を受注し、お客様設備の資産価値向上に貢献できることを光栄に思います」。
三菱重工は、今回のような既存設備の改修・性能向上やサービス事業にも力を注いでいる。チュアスパワー社からの受注を弾みとして、今後も世界各地で電力供給の安定化や発電の効率化を支援し、脱炭素化の推進や持続可能性の高いエネルギー創出に貢献していく。