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三菱重工パワー環境ソリューション、新型電気集じん装置「イオン風型電極EP」を開発

・従来の集じん原理および電極構造を一新、大幅な性能向上を実現
・集じん性能を阻害する「イオン風の巻き返し」発生を抑え、省スペース・コスト削減・工期短縮を実現
・約2年間の実証運転を通じて、性能および耐久性を検証済み

 三菱重工グループの三菱重工パワー環境ソリューション(横浜市中区)は11月25日、自社の主力製品であり各種産業向けに幅広く使用されている電気集じん装置(EP:Electrostatic Precipitator)の新製品として、従来の集じん原理と電極構造を一新した画期的な新型の「イオン風型電極EP」を開発したと発表した。従来型EPに比べて大幅な性能向上が見込め、顧客の省スペースおよびコスト削減、ならびに工期短縮を可能にする。

 従来型EPでは、他社製も含め放電極から集じん極板に向かって流れる「イオン風」が集じん極板に当たって戻る「イオン風の巻き返し」が集じん性能の阻害要因になっており、EPの性能やサイズはこの「イオン風の巻き返し」による捕集ばいじんの再飛散を考慮して評価・決定されている。新型EPは、開口部のある非板状の新型集じん極と最適な放電極の組み合わせにより「イオン風の巻き返し」が発生するのを抑えることで、集じん性能の大幅な向上を実現した。7年前から開発に取り組み、約2年間の実機プラントによる実証運転を通じて、性能と耐久性を検証済み。

 大幅な集じん性能の向上により、新型EPは従来型より小型で省スペースとなり、従来型では配置困難な狭いスペースにも設置が可能。また、既設の従来型EPのケーシングをそのまま活用し、内部の電極のみをイオン風型電極に一部または全部を更新することが可能なため、既設従来型EPの性能向上(出口ばいじん濃度の低減)が図れる。既設EPの性能向上が不要な場合には、劣化した従来型電極の一部のみをイオン風型電極に更新することにより、性能をキープした上で更新対象の物量低減による工事費削減・工期短縮が可能になる。

 三菱重工パワー環境ソリューションは、三菱重工業の100%出資会社で、火力発電や各種産業プラント用に幅広く集じん装置事業を展開している。既存環境装置の老朽化に伴う更新・リプレース需要が今後増えていくことが予想される中、この新型EPの市場投入により、顧客のニーズによりきめ細かく応えた最適な提案を行い、環境負荷の低減とコスト削減に貢献していく。

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