第2四半期連結累計期間におけるアマダグループを取り巻く環境は、各国において経済活動の正常化に伴い設備投資は幅広い産業分野で底堅い動きを見せたが、ロシアのウクライナ侵攻の長期化を背景とした資源価格の高騰、更にはインフレや利上げの継続など、先行き不透明な状況が続いた。
このような環境のもと、アマダグループの業績は、長引く供給制約による部材不足から生産面への影響を受けたが、グローバルでの横断的な調達活動や設計変更、代替部品による対策を実施したことにより、増収増益となった。
■事業別・地域別の概況
①金属加工機械事業
日本:日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大第7波や世界景気の悪化などにより停滞感があったものの、 財政政策による後押しもあり設備投資が牽引したことで経済が拡大した。アマダにおいても政府補助 金の後押しを受け、OA・コンピュータや通信機器等の精密機器向けや配電盤・制御盤、産業機械等の 一般機械向けの需要も増加した。また商品別では、脱炭素化や人手不足を背景にファイバーレーザ マシンやベンディング自動化マシン等の高付加価値商品の販売が増加し、売上収益は46,035百万円(前 年同期比23.7%増)となった。
欧州:欧州経済は、ロシアのウクライナ侵攻の長期化による景気減速感の影響から、他の地域と比べ売上の伸 び率が鈍化した。しかし、エネルギー価格の高騰から省エネ商品であるファイバーレーザマ シンの需要の拡大やロシア近隣諸国への工場移転などを背景とした設備投資需要から東欧などで販売が増加し、売上収益は25,069百万円(前年同期比5.4%増)となった。
アジア他:中国では、局地的ロックダウンからの回復が見られたが、スピード感は緩やかで党大会前の投資の様子見も見られ、減収となった。一方で、中国における製造業を中心とした外資系企業が生産拠点を移行する例も見られるなど、ASEANにおいて販売が大幅に拡大した。また脱炭素化投資に注力を始めているインドにおいてもファイバーレーザマシンなどの販売が増加したことで、売上収益は 17,319百万円(前年同期比20.5%増)となった。
<微細溶接部門>
海外を中心に売上が拡大し、欧州ではEV関連も含めた自動車電装品向けの販売が拡大し、インドでは特にバ イク向けのEV関連需要が好調に推移した。加えて北米では医療機器関連の需要も大幅に増加し、販売が伸 長した。
②金属工作機械事業
売上収益は29,905百万円(前年同期比19.3%増)、営業利益は3,711百万円(前年同期比34.4%増)となった。
国内では、供給制約による長納期化等により低調に推移したが、海外においては切削では欧米における切削マシンの販売が拡大し、研削盤においても欧州や韓国などで半導体やEVバッテリー関連の需要も後押ししたことで販売が好調に推移した。
主要顧客である自動車業界では減産の動きも見られるなど、販売への影響が懸念されたが、国内では生産性の向上を目的とした単体マシンと周辺装置を組み合わせた自動化商品が売上に寄与し、販売が大幅に増加した。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
第2四半期連結累計期間において、世界的なインフレ加速によるコストプッシュが続き原材料コストを圧迫する 一方で、日本円の減価が続いていることで売上、利益ともに増大している状況を勘案し、2022年5月12日に公表した業績予想値を下記のとおり修正した。
売上収益3,500億円(前期比11.9%増)、営業利益480億円(同24.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益330億円(同18.8%増)。
予想の前提となる第3四半期連結会計期間以降の主要為替レートは、1米ドル=130.00円、1ユーロ=130.00円 を想定しており、通期の平均レートは1米ドル=131.99円、1ユーロ=134.36円。