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積水化学工業、米国でポリオレフィンフォームの生産能力増強

 積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーは、11月9日、米国ミシガン州コールドウォターに所在する100%子会社、SEKISUI VOLTEK, LLC.において、ポリオレフィンフォームの新建屋と生産ラインを増設し、生産能力を増強することを決定したと発表した。同生産ラインは2024年度第2四半期(7~9月)から稼働予定。

 高機能プラスチックスカンパニーのフォーム事業部では、ポリオレフィンフォーム事業をグローバルに展開しており、北米および南米市場においてシェアNo.1を獲得している。特に、フォームの厚みや密度をコントロールしているVolara®は、工業用途、メディカル用途を中心に顧客より高く評価され、同分野の発展に寄与している。今回、継続的な市場伸長が見込まれていることから、約60億円を投じて新建屋と生産ラインを増設し、安定的な供給体制と生産量を現状の2割程度向上させることを目指す。

<新工場の概要>
所 在 地:17 Allen Avenue, Coldwater, Ml 49036, U.S.A.
建屋面積:約3,888㎡ (SEKISUI VOLTEK,LLC敷地内)
投資額:39百万米ドル(約60億円)
稼働時期:2024年度第2四半期(7~9月)

<SEKISUI VOLTEK, LLC.の概要>
事業内容:電子線架橋ポリオレフィンフォームの製造・販売
所在地:17 Allen Avenue, Coldwater, Ml 49036, U.S.A.
設立:2004年1月1日
資本金:48,534千 米ドル
出資比率:SEKISUI AMERICA CORPORATION 100% 出資
※SEKISUI AMERICA CORPORATIONは積水化学工業 100%出資の米国の連結子会社
代表者:取締役社長 Neil Beckhusen
従業員数:約200名
現状生産能力:約6000トン/年

■ポリオレフィンフォームおよび今後のフォーム事業の展開について

 積水化学工業製のポリオレフィンフォームは、ポリオレフィン(ポリエチレンやポリプロピレンなど)を電子線により架橋させ、加熱発泡させた柔軟な独立気泡発泡体。積水化学工業は、世界で初めて電子線による架橋方法を発明したパイオニアとして、日、米、欧(2)、豪、中、韓、タイの世界8拠点で生産している。そして、自動車をはじめ、家電やモバイル端末などのエレクトロニクス、建築といったさまざまな分野・用途で事業展開を行っている。今後も、グローバルリーディングカンパニーとして顧客のニーズを捉え、高機能で高付加価値な製品群の開発、生産の強化、販売を通じて、より省エネルギーで環境負荷が小さい持続可能な社会の実現に貢献していく。

■「Volara®」の製品概要

 Volara®は、ポリオレフィンを電子線架橋した独立気泡フォームで、樹脂本来の柔軟性とフォームの気泡構造、厚みや密度のコントロールによって、薄くても高い衝撃吸収力を実現する。また、ほとんどの化学薬品に耐性があり、吸水率と蒸気透過率が低いため、輸送、一般産業、産業用テープ、レクリエーション&レジャー、メディカルなど多くの用途で使用されている。

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