㈱加藤製作所が11月10日に発表した2023年3月期第2四半期累計(4〜9月)連結業績によると、売上高は261億7千1百万円(前年同期比84.5%)となった。損益については、昨年度から取り組んでいる収益性改善施策が奏功し、営業利益は3億1百万円(前年同期は営業損失10億3 千3百万円)、経常利益は9億9千9百万円(前年同期は経常損失9億3千2百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益 は9億5千3百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失9億8千8百万円)となった。
4〜9月期における我が国経済は、景気持ち直しの動きがあったものの、エネルギーや原材料価格の高騰、サプライチェーンの混乱が継続し、日米金利差拡大に伴う急激な円安の進行による物価上昇圧力が強ま り、依然として不透明な状況が続いている。
海外について、欧州においては、経済活動が活発化する一方で急速なインフレの進行や、米国金利の上昇が 進展し、今後の景気後退懸念が高まっている。また、中国においては、建設需要の落ち込みが継続、経済活動 に大きな影響が及んでいる。
このような状況下、加藤製作所グループは、2022年度を新たな中期経営計画の初年度として、中期経営計画の基本方針として掲げた「収益性改善・強化」「財務体質の改善」「将来の基盤構築」に取り組んでいる。
■セグメント別の経営成績
①日本:国内向け建設用クレーンは、売上高は142億7千5百万円(前年同期比101.4%)となった。海外向け建設用ク レーンの売上高は16億3千4百万円(前年同期比58.8%)となった。
国内向け油圧ショベル等の売上高は、サプライチェーンの混乱が大きく影響し、41億6千8百万円(前年同期比 66.8%)となった。海外向け油圧ショベル等の売上高は27億9千6百万円(前年同期比92.5%)となった。
日本の売上高は233億9千8百万円(前年同期比88.0%)となり、セグメント利益は5億5千8百万円(前年同期はセグ メント損失8億7千3百万円)となった。
②中国:中国向け油圧ショベル等は、中国市場における建設需要の落ち込み継続により、厳しい販売環境にある。
中国の売上高は10億8千1百万円(前年同期比33.4%)となり、セグメント損失は3億5千万円(前年同期はセグメント損失4億5千万円)となった。
③その他:その他地域においては、売上高は26億1千2百万円(前年同期比102.0%)となり、セグメント損失は1千3百万円(前年同期はセグメント損失3千4百万円)となった。
■主要品目別売上高の状況
①建設用クレーン
②油圧ショベル等
油圧ショベル等は、国内売上高は41億6千8百万円(前年同期比66.8%)となった。海外売上高は54億3千2百万円(前年同期比78.1%)となった。よって、油圧ショベル等の売上高は96億円(前年同期比72.8%)となった。
③その他
その他の売上高は5億2千3百万円(前年同期比109.9%)となった。
■ 2023年3月期連結業績予想
2022年5月13日に公表した通期の連結業績予想は下記のとおり修正した。
売上高605億円(前期比4.8%減)、営業利益1億円 、経常利益4億円 、親会社株主に帰属する当期純利益10億円。
しかし、通期連結業績の見通しは、第3四半期以降も国内における部品の供給不足に伴う生産への影響や、 中国における建設需要の低迷が引き続き継続するものと見込んでおり、売上高は当初計画数値を下回る見込み。
営業利益及び経常利益については、原材料の高騰及び部品不足による工場稼働率の低下による原価の上昇や、中国市場での売上高の減少により、為替の影響を考慮しても当初計画数値を下回る見込み。
一方で親会社株主に帰属する当期純利益については、建設を中断していた工場用地及び建物の売却による、譲渡益約960百万円を今回発表の予想値に含めたため、当初計画数値を上回る見込みとなった。
第3四半期以降の平均為替レートは1米ドル=138円を前提としている。
なお、配当予想については、前回発表さた予想からの変更はない。