㈱サンゲツ(名古屋市西区)は11月2日、同日開催の臨時取締役会において、完全連結子会社であるクレアネイト(東京都品川区)の新工場建設を決議したと発表した。
サンゲツグループ事業の主力となる塩ビ壁紙市場は、過去、製造会社の事業撤退、縮小が行われたことにより供給力に制約が出ている。一方、主力の量産壁紙需要は増加を続けて おり、需要期には品切れが頻発する等、需給のタイト化による事業への影響が拡大している。量産壁紙需要は、今後も引続き堅調な推移が見込まれ、量産を中心とする壁紙供給体制の 強化が急務となっている。
このような中、サンゲツグループは連結子会社であり壁紙製造を事業とするクレアネイトによる、新工場建設(広島県東広島市)を決定した。これにより持続的な安定供給を実現するとともに、長期ビジョン【DESIGN 2030】に掲げる社会的価値の実現に向けた、環境負荷の低 減や土日完全週休 2 日制の実現などの労務環境の整備も進めていく。
1) 持続的な安定供給体制の構築
新工場を広島県東広島市に建設することにより、クレアネイトの生産能力は、約 8,000 万 m/年増強されるとともに、既存の一関工場(岩手県一関市)、成田工場(千 葉県成田市)との 3 拠点体制により、安定的な製造体制を構築し、余裕ある供給体制の 整備を進める。
また、生産余力を生み出すことで、災害等の生産トラブルによる緊急 時にもバックアップ機能を発揮し、壁紙の安定供給を持続的に実現していく。
2) 環境負荷低減へ向けた取り組み
現在クレアネイトは岩手県一関市に主力の壁紙製造工場を有しているが、新たに西日本に製造拠点を設けることで、原材料調達や製品配送の距離を大幅に削減し、配送に伴う GHG 排出量の削減を進める。
また、新工場においては、メイン燃料を従来の重油より液化天然ガス(LNG)に転換 し、GHG 排出量の削減に努めるほか、太陽光パネルの設置を行う等、環境負荷の低減を実現する。
3) 働きやすい労務環境の整備
人口減少や高齢化により働き手の減少が進む中、壁紙製造業界においても人員の確保は喫緊の課題となっている。需要に対する生産能力の不足から、現在はシフト制による土日勤務が常態化した勤務体制となっているが、新工場の稼働によって生産 の効率化、生産余力の確保を進め、従業員の勤務体制を見直すことで、土日休みの完全週休2 日制を実現する。従業員にとって働きやすい労務環境を整備することで、長期的に安定した人員の確保を実現し、持続的な事業運営を進めていく。
<新工場建設の概要>
所在地:広島県東広島市高屋台 2-113-10
敷地面積:29,610m²
建物:平屋建て
着工:2023 年 2 月予定
竣工 :2024 年 7 月予定
投資予定額:85億円
建築面積 :約 14,000 m²
延床面積 :約 14,000 m²
<子会社の概要>
名 称:クレアネイト株式会社
所在地:東京都品川区東品川 3-20-17
代表者の 役職・氏名:代表取締役兼執行役員会長福田晃
代表取締役 兼 執行役員社長 井上 弘一
事 業 内 容:壁紙の製造・販売、生活雑貨関連商品の販売
資本金1億円