・カラーセンサーで、カーボンニュートラルの実現に貢献
オムロンは10月19日、わずかな色の変化と違いを検知する機器組み込み用カラーセンサー「B5WC」を2022年11月1日から、グローバルで発売すると発表した。ものづくりに欠かせない産業機械に使用される油圧装置の油劣化具合を色で捉え、油の状態をリアルタイムで監視、最適なタイミングでのメンテナンスを実現するソリューション。製造現場内の生産ロス最小化で、カーボンニュートラルの実現に貢献する。
製造現場では、これまで熟練保全者が産業機械・油圧装置の故障要因となる油汚れを目視で確認し、カンコツ経験に基づいて点検・部品交換といった定期メンテンスを実施していた。一方、担当者ごとによる判断バラつき、点検タイミングの遅れに伴う設備の突発的故障による生産停止ロスが、長年の課題となっていた。また、深刻化する人手不足やコロナ禍での移動制限により、メンテナンスの高効率化や遠隔監視ニーズが急速に高まるも、課題解決に向けて追加となる部品のサイズやコストが障壁となっていた。
今回発売する「B5WC」は、色の変化から、油の劣化具合を定量的に把握できる機器組み込み用センサー。オムロンの強みであるセンシング技術と光学設計技術を活用し、機器組み込みに適した小型サイズ（W:40㎜×D:8.4㎜×H:15.9㎜）、通信方式（I2C）を実現したことで装置に簡単に導入可能。同センサーで、装置の劣化具合をリアルタイム・リモートモニタリングすることで、装置の状態を見える化し、装置の点検・保全工数を削減。高効率かつ計画的なメンテンスで、産業機械や油圧装置業界が抱える課題解決に貢献する。
「B5WC」は、導入に向け、2018年4月から、ダイキン工業・油機事業部が提供するハイブリッド油圧システム「エコリッチR」でのフィールドテストを実施し、両社の共創で課題解決に取り組んでいる。 ダイキン工業・油機事業部では、空調事業で培ったモータ・インバータ技術を活かした高度な省エネ性能を持つ油圧装置を通じて、ものづくりの根幹を担う産業機械の自動化・省エネ化を支えている。油圧装置の作動油は、工場の保全担当者が１か月に１回程度の頻度で点検・交換していたが、両社の知見・ノウハウを組み合わせることで、油圧装置の油劣化状態を見える化し、工場の集中管理システムでの一元管理で、最適なタイミングでのメンテナンスを実現するソリューションを生み出した。さらに、油劣化起因による油圧装置の突発故障での生産停止ロスや消費エネルギーロスを最小化することで、カーボンニュートラルの実現にも貢献する。
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