・欧州市場で電動化建機、応用・ICT 対応製品の開発・マーケティング機能を強化
これにより、これまで開発に特化していた EAC 社は、事業譲渡完了後、マーケティングから開発、生産、 販売、サービスまで一気通貫で担い、欧州市場で求められる先進的な電動化建機・応用・ICT 対応製品などの市場投入スピードを加速し、社会・環境・顧客の課題解決に貢献していく。また、EAC社の 社名は、「KTEG GmbH(以下、KTEG 社)」に変更する予定。
■機能拡充の背景
ドイツをはじめとする欧州市場は、建設業に関わる規制が厳しいため、先進的なニーズが多い市場。また、欧州市場は、地球温暖化対策や低炭素社会の実現に向けた規制が世界的に最も厳しい市場の 一つであり、自動車と同様、建設機械においても、稼働時に二酸化炭素などの排出ガスを出さない電動 化建機に対するニーズが強い地域。
さらに、欧州市場では、省人化や施工の効率化に対する意識が高いため、標準モデルをベースに、販売 代理店や改造専業会社が、1 台のショベルを多用途に使うモデルや、ICT 建機、応用製品を開発、改造、 販売することが一般的。
キーゼル・テクノロジー社は欧州市場でのマーケティングの知見や商品化のため のノウハウが豊富なため、これまで、EAC 社は、キーゼル・テクノロジー社の知見・ノウハウを活用し、日立建機 の標準モデルをベースに電動化建機や応用製品を開発してきた。
今回、EAC 社の開発機能にキーゼル・テクノロジー社のマーケティングおよび生産、販売・サービス機能を統合することで、日立建機は、欧州の先進技術を求める市場動向や顧客の課題をより詳細に把握することができる。これにより、電動化建機・応用・ICT 対応製品などの市場投入のスピードを加速し、社会・環 境・顧客の課題を解決する狙い。
さらに、日立建機は、KTEG*社が開発した製品・技術を活用し、日立建機グループが定める高水準な品質レベルで、かつ、コスト競争力のある電動化建機・応用・ICT 対応製品を開発・量産し、日本・北米などグローバル展開を図っていく。
両社はこれからも、新たな価値創造に挑み続け、社会・環境・顧客の課題解決に貢献していく。
<事業譲渡後の KTEG 社の概要>
会社名:KTEG GmbH
*事業譲渡後、EAC は社名「KTEG GmbH」に変更予定。
本社所在地:ドイツ連邦共和国ヘッセン州シュトックシュタット・アム・ライン
代表者:トニー・キーゼル、ハラルド・トゥム
出資比率:キーゼル・テクノロジー社 50.1%、日立建機 49.9%
設立年月:2018 年 9 月
人員数:約 50 名(2023 年 1 月予定)
資本金:50 万ユーロ(約 6,400 万円)
事業内容:建設機械の電動化製品および応用製品の開発
日程:事業譲渡契約締結日 2022 年 11 月中(予定)
■キーゼル・テクノロジー社について
キーゼル・テクノロジー社は、ドイツに拠点を置き、解体機や応用製品に加え、ゼロエミッション、ICT 対応 製品、クイックチェンジシステム・アタッチメントなどのマーケティングおよび生産、販売・サービスを行う Kiesel グループの一員です。Kiesel はドイツ・Ravensburg(ラーヴェンスブルク郡)に本社を置く家族経営の会社 で、建設機械、ハンドリング機械、中古機械の販売事業者。
■日立建機について
日立建機は、油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械、鉱山機械などの開発・製造・販売・サービスの 事業をグローバルで展開している建設機械メーカー。新車販売以外の事業である部品・サービス、レンタ ル、中古車、部品再生などの「バリューチェーン事業」の強化に注力し、デジタル技術を活用することで、顧客とのあらゆる接点において提供するソリューションを深化させている。世界に約 25,000 人の従業員を 擁し、2021 年度(2022 年 3 月期)の連結売上収益は 1 兆 250 億円、海外売上収益比率は約 79% です。
画像:EAC 社が開発した 8tクラスの電動ショベル