日揮ホールディングス(以下、日揮HD)は10月4日、JX石油開発およびマレーシアの国営エネルギー会社であるPetroliam Nasional Berhad(ペトロナス)と共同で、マレーシアにおける二酸化炭素の回収・貯留(CCS※)実施における共同スタディに関する覚書を締結したと発表した。
※Carbon Capture and Storageの略。排出されるCO2を回収し再度地下に圧入する技術。
共同スタディは、マレーシア国内の各産業施設から排出されるCO2に加えて、日本をはじめとするマレーシア国外からのCO₂の分離・回収、輸送、圧入・貯留からなる具体的なCCSサプライチェーン構築を検討するもの。マレーシアにおけるCCSハブ&クラスターの形成を目指し、将来的な事業化を見据え、日揮グループおよびJX石油開発が有する知見・技術を活用し、2022年10月から2024年4月にかけてスタディを行う。
共同スタディは、エネルギー転換を通じたアジアにおける持続的な経済発展およびカーボンニュートラル化を目標として日本政府が2021年に発表した「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)」と連携している。加えて、共同スタディは、今後、低炭素ソリューションやブルー水素・ブルーアンモニアなどのクリーンエネルギーを含むエネルギートランジション分野の事業創出につながる可能性があると期待している。
日揮グループは、日本だけでなく、アルジェリアやオーストラリアで CCS設備の建設実績があり、中期経営計画「BSP2025」において、CCSを含めたエネルギートランジション分野 の事業拡大を掲げている。また、エネルギーや環境をテーマに、調査、分析・評価、シミュレーション、リスク評価などさまざまな手法を組み合わせた技術コンサルティングを行っており、幅広いソリューションの提供を通じて、脱炭素社会の実現や資源循環の促進に貢献していく。