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鹿島建設とNEC、重機による自動化施工システムの 普及・展開を目的とした合弁会社を設立

 鹿島建設日本電気(NEC)は9月8日、建設業における労働力不足対応や、現場の生産性・安全性向上への貢献が期待される自動化施工システムの提供・普及・展開を目的とした事業の可能性を検討する合弁会社「株式会社KNC Planning」を設立したと発表した。

 近年、建設業においても業務のデジタル化(DX)が進展しつつあるが、その主な対象は、工事全体の安全や品質、工程などを管理する施工管理業務だった。そこで、これまで自動化施工の分野において、長年にわたり通信やセンサなどの研究開発を進めてきた両社が設立するKNC Planningは、自動化施工システムを活用して、現場の生産性・安全性向上のカギを握る実作業のDXを実現し、労働力不足への対応など建設業における諸問題の解決を推進していく。

■取り組みの背景と概要
 我が国の建設業界においては、熟練労働者をはじめとする人手不足、他産業に比べて低い現場の生産性・労働安全性が大きな問題となっている。さらに、2024年から適用される「働き方改革関連法」に対応するためにも、一層の生産性向上が課題。これらを解決するためには、AI、IoT、ロボットなどの最先端技術を活用し、少ない人手で確実かつ速く、安全に工事を行うことができる、新たな生産システムが必要となる。

 KNC Planningでは、現場での実作業の省人化と生産性向上、および現場内の安全性向上を実現するため、鹿島建設が開発した自動化施工システム「クワッドアクセル(A4CSEL)」を核として、施工のDXによる業務フローの変革を図っていく。その前段として、施工計画の高速自動作成と最適化処理技術、そして、計画通りに確実に休むことなく作業を行う重機の自動運転技術、遠隔地から効率よく重機を動作させる遠隔操縦技術など様々な技術を内包するA4CSELを汎用化、一般化するために必要な技術の精査や、コスト検討といった技術的実現性や経済的有効性を検証する。その上で、多方面への提供を含めて、自動化施工システムを広く普及・展開することを目的として、事業(以下、新事業)の成立性を検討していく。また、新事業に賛同頂けるパートナーを広く募り、課題解決に貢献できるスキームを早期に整えていく。

 KNC Planningは、鹿島建設のA4CSELを構成する技術と、NECが培ってきた通信インフラ技術やAIを活用したデータ分析技術などを統合することで生まれるシナジー効果によって、施工のDXを促進するソリューションの提供という新たなビジネスモデルの構築を進め、建設分野の課題解決を推進していく。

<合弁会社の概要>
社名:株式会社KNC Planning
所在地:東京都港区芝五丁目26番24号田町スクエア2F
社長:高田 悦久(鹿島建設 専務執行役員)
設立年月:2022年8月10日
資本金:4,000万円
出資比率:鹿島建設 50%、NEC 50%
従業員数:6名
事業内容:事業準備会社
事業化移行後の顧客/パートナー発掘、事業会社化への移行に関する諸準備(事業形態検討・事業計画立案)

 ニュースリリース

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