・拡大する海外プラント市場に対応する遂行体制を整備
日揮ホールディングスは8月15日、海外EPC事業会社の日揮グローバルが、インド共和国チェンナイ市に新たにオペレーションセンターを設立することを決定したと発表した。
これまで、日揮グループにおける海外EPC事業は、日本の日揮グローバル、ならびに東南アジア、中東、北アフリカ、北米に擁する海外EPC遂行拠点が、プロジェクトの規模や地域、遂行力などを考慮し、日揮グローバルならびに海外EPC遂行拠点それぞれでの単独遂行、あるいは日揮グローバルと海外EPC遂行拠点が協力する形で液化天然ガス(LNG)や再生可能エネルギーをはじめとするエネルギートランジション分野やライフサイエンスなどのインフラ分野のプロジェクトを受注・遂行してきた。
しかしながら、現在、ポストコロナを睨んだ世界経済の回復を背景とするエネルギー需要の増大に加え、ロシアのウクライナ侵攻を契機とするエネルギー安全保障の観点から、産油・産ガス国ではLNGをはじめとする大型設備投資計画の再開が見込まれており、また中長期的にも海外プラント市場は拡大していくことが予測される。
こうした状況から、新たに海外EPC遂行拠点を設置し、グループとしてのEPC遂行キャパシティを拡大させていくことが、今後の海外プラント市場拡大への迅速な対応のみならず、中期経営計画BSP2025の重点戦略「EPC事業のさらなる深化」における「海外大型プロジェクトの競争力、収益力強化」を実現していくためにも必要不可欠と判断し、このほどインド・チェンナイ市に新たなEPC遂行拠点の設立を決定した。
インドは一定の政治的な安定性と安全性を有し、高い英語力を持つ優秀なエンジニアが数多く存在しており、特に、チェンナイ市は同業のエンジニアリング会社が多く存在し経験豊富なエンジニアを確保できる可能性が高いこと、さらにインドトップクラスの工学系大学や専門学校を擁していることに加えて、インドの大都市のなかで比較的人件費が低い水準にあることなどから、新たなEPC遂行拠点を設立する上で最適と判断した。
新たなEPC遂行拠点は、2022年11月を目途にオペレーションを開始し、2023年3月までにエンジニア約250名体制を目指すとともに、2040年には1,000名体制へと拡大していく計画。設立当初は、主に日揮グローバルが受注した海外大型プロジェクトにおける詳細設計拠点としての役割を担い、将来は必要な人材を確保していくことで、EPC遂行拠点としての体制を整え、成長させていく予定。
<インド・オペレーションセンターの概要>
社名:未定
所在地:インド共和国チェンナイ市
代表:Managing Director ステン・ジャコブソン(Sten Jacobsson)(日揮グローバル株式会社 執行役員)
資本金:100万インドルピー(13,000米ドル相当)
出資者:日揮グローバル株式会社 99%、JGC ASIA PACIFIC PTE. LTD. 1%