ロンドン、2022年 6月28日
・オウトクンプ向け連鋳機用モールドと「モールドエキスパートファイバーシステム」各2台を受注
・モールド内監視の新技術「モールドエキスパートファイバー」システム
・オウトクンプのモールド内凝固に関する知識を深め、新鋼種開発を支援する技術
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は、フィンランドのステンレス鋼メーカー、オウトクンプ(Outokumpu)向けモールド2台と、モールド エキスパート ファイバー(Mold Expert Fiber)システム2台を受注しました。フィンランド北西部トルニオにある同社の、1スラブストランド鋳造機2基に導入され、稼動開始は2023年4月の予定です。ステンレス鋼のグローバルマーケットリーダーである同社は、当社の専門知識と技術を活用し、ステンレス鋼の鋳造のレベルをさらに引き上げる意向です。
■拡充し続けるポートフォリオ
オウトクンプのステンレス鋼製品ポートフォリオには、より複雑で特殊な鋼種が常に追加され、拡充を続けています。標準製品の品質も、より要求の厳しい用途での使用がふえるにつれえて向上しています。
オウトクンプ、トミオ工場プロジェクトマネージャー Mika Nätsaari 氏談:
「製品ポートフォリオの拡充、製品品質の向上、及び確実な安全生産のため、当社はモールド温度測定の最新技術への投資を決定しました。」
オウトクンプ鋳造開発エンジニアMarko Petäjärvi氏談:
「新技術、モールド エキスパート ファイバーが、モールド可視化の新しい方法をもたらしました。モールドはスラブの表面品質を左右する場所ですから、これは非常に重要なことです。また、鋳造プロセスや鋼材の凝固をより細かく制御できるようになりました。」
モールド エキスパート ファイバーの主な目的は、ブレークアウトの可能性の検知を可能な限り早い段階でオペレーターに知らせることです。このシステムは、モールド内全幅にわたる正確なレベルや凝固に関するデータなど、これまで得られなかった情報も提供します。モールドエキスパートファイバーはオウトクンプの新鋼種開発の主要ツールとなります。
■数千の測定ポイント
トルニオ工場に納入されるシステムの測定ポイントはモールド1台あたり1,786点で、従来の熱電対による測定でのセンサー数の30倍以上です。ファイバーの技術が、これだけ多数の測定ポイント設置を可能にしました。光を反射するファイバーブラッグブレーティング(FBG)がファイバーに焼き付けられており、温度変化に応じて光の反射が変わります。この反射の変化が非常に精密に測定され、可視化されて、モールド内部のリアルタイム熱画像となります。
プライメタルズ テクノロジーズ 製品担当マネジャー Martin Schuster 氏談:
「熱画像はメニスカス形状を示します。小さく対称的な波の形が理想ですが、この波は低すぎても高すぎてもいけません。」
■プライメタルズテクノロジーズ供給範囲
当社の供給範囲は、詳細設計、機械設計、製造、試運転、1年間の保証サービス契約(1年間豊富なスラブ鋳造データの処理と分析をサポート)です。
■プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。
ニュースリリース
*リリース内容から「ですます調」で表記しています。