・ドイツの世界的メーカー「ブラベンダーテクノロジー社」
㈱クボタは6月20日、欧州機械統括子会社のクボタホールディングスヨーロッパB.V.を通じて、工場の製造工程で原材料の定流量供給*に使用される「重量式フィーダ」の世界的メーカーBrabender Technologie GmbH &Co. KG(本社:ドイツ、以下、ブラベンダーテクノロジー社)の全株式を取得し子会社化すると発表した。
重量式フィーダでアジア市場に強みを持つクボタと欧米市場に強みを持ちグローバルに事業展開するブラベンダーテクノロジー社の技術や販売ネットワークを融合させてシナジーを創出し、世界的な製造工程の自動化の流れに伴ってさまざまな分野で成長が見込まれる重量式フィーダ市場で事業拡大を進めていく。
*定流量供給:1時間あたり〇kgというように設定した量を連続して供給し続けること。
■背景と狙い
重量式フィーダは高機能樹脂や化学製品、医薬品を中心にさまざまな製品の製造工程において、粉末、粒状、液体などの原材料を次工程の製造設備へ精緻に定流量供給する機械。原材料をリアルタイムに計量して供給量を制御することにより、複数の原材料を高精度かつ安定的に配合し、製品の品質のばらつきを抑えることが可能になる。
クボタは日本、中国、韓国を中心としたアジア地域で、主に樹脂製品の製造工程で使用される重量式フィーダを生産・販売しており、アジアで高いシェアを持っている。今後、更なる事業拡大に向け、医薬品や二次電池の部材などへの対応や販売地域の拡大をめざしている。
一方、ブラベンダーテクノロジー社は欧米市場に強みを持ちながらグローバルに事業展開しており、重量式フィーダの販売台数では世界有数の企業。高い技術力に加え、多様な原材料への対応ノウハウを持ち、樹脂分野はもとより、医薬品・二次電池関連・食品などの幅広い分野において、周辺機器も含めた幅広い製品ラインナップを保有している。
クボタは長期ビジョンにおいて、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーにおける課題解決をめざし、事業を展開している。カーボンニュートラルに資する二次電池に使用される部材や、サーキュラーエコノミーにおけるプラスチックなどの再生材も多くが原材料を混合して生産されるため、さまざまな特性を持つ原材料を高精度で安定的に供給できる高機能な重量式フィーダの活用が期待されている。
クボタはブラベンダーテクノロジー社を子会社化することで製品ラインナップの拡充、販売・サービスネットワークの相互活用でシナジーを発揮し、事業拡大を図る。さらに、両社が持つ豊富な原材料への対応ノウハウや高い技術力を活かした次世代型重量式フィーダの共同開発を進めていく。これらにより、今後開発される新たな原材料や取り扱いが難しい原材料に適応し、グローバルでモノづくりを支えることで、社会課題の解決に貢献することをめざしてあく。
<ブラベンダーテクノロジー社の概要>
会社名:Brabender Technologie GmbH &Co. KG
事業内容:重量式フィーダの製造、販売
設立年:1957年
本社所在地:ドイツ ヴェストファーレン州 デュイスブルク市
取締役社長:Bruno Dautzenberg , Dr.Günter Kuhlmann
従業員数:3約230名