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芝浦機械、21年度売上は16.3%増の1,077億円、22年度予想は11.3%増の1,200億円

 芝浦機械 が5月26日に発表した2022年3月期(2021年度)の受注高は1,642億7千7百万円(前年度比85.4%増)、売上高は1,077億7千7百万円(同16.3%増)となった。営業利益は42億3千6百万円(同 1,009.5%増)、経常利益は45億4千4百万円(同 420.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は37億2千5百 万円(同△28億9千8百万円)となった。

 2021年度における世界経済は、米国など先進国を中心に回復基調で推移したものの、新型コロナウイル ス感染症再拡大やロシアによるウクライナ侵攻等の影響により、部材需給逼迫やエネルギー価格高騰などさらなるサプライチェーンの混乱が生じたことに加え、中国の経済活動停滞が見られるなど、先行き不透明感が一層増している。わが国経済も輸出や生産に持ち直しの動きが続いていたが、中国の回復停滞や自動車の減産などにより、後半では足踏みが見られた。

 芝浦機械グループを取り巻く経済環境は、地域や業種により景況感に差異はあるものの、国内、北米、中国などを 中心に設備投資需要の回復が進んだ。また、世界的に脱炭素化などの社会課題解決に向けた動きが加速していることを背景として、EV、再生可能エネルギー、労働生産性向上などに関連した需要の拡大が見られる。このような経済環境のもとで、芝浦機械グループは中期経営計画である「経営改革プラン」に基づき、高収益企業 への変革に向けて、組織再編を中核とした経営改革、成長分野に対応した投資の推進、資本効率(ROE)の向上を目指した財務戦略の実行に取り組むとともに、社会課題を解決する高付加価値商品の創出と高効率な生産の実現 に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している。また、脱炭素化や環境関連ニーズの高ま りに対し、EVや再生可能エネルギー向けの製品や環境調和型製品などの開発・生産・販売への対応強化を進めた。

 芝浦機械2022年3月期データ

セグメント別の概況

<成形機事業>[射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など]

 射出成形機の販売はインド、東南アジア、北米、中国などで増加した。受注は脱炭素化の動き を背景に北米の中大型電動機が増加したことに加え、インド、東南アジアなどで増加した。

 ダイカストマシンの販売は中国、東南アジアなどで自動車向けが増加した。受注は東南アジア、 中国などで自動車向けを中心とした設備投資需要が回復したことにより、増加した。

 押出成形機は、EV関連の設備投資需要の拡大に伴い、中国のリチウムイオン電池向けセパレータフィ ルム製造装置の販売および受注が大幅に増加した。

 この結果、成形機事業全体の受注高は1,238億1千9百万円(前年度比94.3%増)、売上高は755億5千4百 万円(同17.5%増)、営業利益は36億8千3百万円(同218.2%増)となった。

<工作機械事業>[工作機械(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤など)、超精密加工機など]

 工作機械の販売は中国の産業機械向けおよび風力発電向けが増加した。受注は国内の産業機械向け、建設機械向け、エネルギー関係向け、北米の産業機械向けおよびエネルギー向けが増加した。

 超精密加工機は、車載レンズなどの需要拡大を背景に、販売は中国、台湾、受注は国内、中国の光学系金型向けが増加した。

 この結果、工作機械事業全体の受注高は287億1百万円(前年度比64.6%増)、売上高は235億7千2百万円 (同13.0%増)、営業利益7百万円(同△8億2千8百万円)となった。

<制御機械事業>[産業用ロボット、電子制御装置など]

 制御機械の販売および受注は国内の半導体製造装置向けなどで電子制御装置が増加した。 この結果、制御機械事業全体の受注高は106億8千9百万円(前年度比73.8%増)、売上高は76億6千9百万 円(同31.3%増)、営業利益は4億2千5百万円(同△3千9百万円)となった。

<その他の事業>

 その他の事業全体の受注高は10億6千6百万円(前年度比19.2%減)、売上高は9億8千1百万円(同39.5%減)、営業利益は7千8百万円(同121.5%増)となった。

次期の見通し

 今後の経済環境は、新型コロナウイルス感染症による経済への影響が緩和されることに伴い先進国を中心に経済活動の回復が進むと期待されるが、ウクライナ情勢の悪化、部材需給逼迫、エネルギー価格高騰などに加え、 中国のロックダウンによる経済活動への影響など、依然先行き不透明な状況が続くものと考えられる。

 このような状況のもと、世界市場の需要動向を見極めたうえで、脱炭素化社会の実現へ向けた自動車のEV化や風力発電などの再生可能エネルギー関連へ対応した商品の提供と開発、需要が拡大しているリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の増産体制の構築、商品力・生産性の向上を目指したDX戦略の推進など、各施策を実行していく。

 2023年3月期の見通しについては、売上高1,200億円(前期比11.3%増)、営業利益60億円(同41.6%増)、経常利益54億円(同18.8%増)、親会社株主に帰属す る当期純利益42億円(同12.7%増)を予想している。

 なお、通期見通しにあたっての為替レートは、1米ドル=120円を前提としている。

 芝浦機械の2022年3月期決算短信

 

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