大王製紙(東京都千代田区)は5月26日、同日開催の取締役会において、2023年取得予定の岐阜県の新工場兼物流倉庫用地(以下、新工場)の具体的な活用案を含む、中部地区における衛生用紙の生産体制強化の方針について決議したと発表した。生産設備の設置場所及び内容については、可児工場(岐阜県可児市)へ家庭紙用抄紙機、新工場 (岐阜県加茂郡坂祝町)へ加工機(ティシューペーパー・トイレットペーパー用)を増設する計画。
大王製紙は、2012 年よりスタートさせた第1次中期事業計画以降、基幹工場である三島工場(愛媛県四国中央市)を中心とした構造改革を推進してきた。国内衛生用紙事業においては、2018年より生産設備の増強に取り組み、これまでに四国中央市に3台の抄紙機を稼働させたが、衛生志向の高まり等を背景に、生産販売量は順調に伸長していることで、高い稼働率を維持している。このため、第5次中期事業計画の次なる成長を見据えた成長戦略の一環として、設備の更なる増強を行い、国内衛生用紙事業の強化を図っていく。
今後の成長戦略を描くにあたり、中部地区において、洋紙、包装用紙、特殊紙、衛生用紙を生産している可児工場の高付加価値化・拡張策が課題と認識している。そこで、可児工場と近接する新工場のシナジー効果を十分に発揮させ、東日本の主要エリアへの配送強化、可児工場のパルプを付加価値の高い商品へシフト、及び可児工場近隣の外部倉庫集約を含む物流構造改革による競争力強化を狙い、可児工場を中心とした増設計画を意思決定した。
<計画の概要>
生産品種:ティシューペーパー、トイレットペーパー
生産能力増:月産 約 3,000 トン
設備投資額:約170億円
設置場所:家庭紙用抄紙機 岐阜県可児市(大王製紙可児工場)/ティシュー及びトイレット加工機 岐阜県加茂郡坂祝町(新工場)
営業運転開始:2024年10 月予定