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デンソーウェーブとアールティ、人協働ロボット「COBOTTA® PRO」を活用した 冷凍フライ投入システムを開発

・危険作業・人手作業の負担軽減に取り組む 「FOOMA JAPAN 2022」でデモを初披露

 ㈱デンソーウェーブと㈱アールティ(東京都千代田区)は5月24日、食品工場での危険作業・人手作業の負担軽減を目指し、人協働ロボット「COBOTTA PRO」を活用した冷凍フライ投入システムを開発したと発表した。このシステムは2022年6月7日(火)~10日(金)に東京ビッグサイトで開催される「FOOMA JAPAN 2022(国際食品工業展)」デンソーウェーブブースで初披露される。

 このシステムは、現在食品工場において人手で行われている、冷凍フライの取り出しからフライヤー投入までの作業を自動化するもの。ロボットが番重(食品用コンテナ)にバラ積みにされた冷凍フライをカメラでひとつずつ認識してコンベア上へ載せ、自動フライヤーに投入する。冷凍フライは、山積みされた状態や溜まったパン粉などで境目が分かりづらい状態でも、不定形物を見分ける画像認識技術でひとつずつ区別できる。ロボット本体はデンソーウェーブの「COBOTTA PRO」を使用し、画像認識システム、ロボットのハンド部分、投入用コンベアはアールティが開発した専用品を採用している。

 農林水産省の発表によると、生活スタイルの変化により中食産業の市場規模は拡大する一方、食品サービス業の欠員率は全産業計(1.8%)の1.6倍以上と高水準であることが指摘されている。加えて惣菜調理の現場は人の手で行う作業が多く、労働生産性が低いとされており、対策が喫緊の課題となっている。

 食品工場におけるフライの調理現場は、蒸し暑い作業場での熱中症、高温の油によるやけどなどの可能性がある。また、早朝や夜に実施する作業もあり、人手不足などの課題を抱えている。作業の省人化が望まれる一方で、食品工場は作業場が狭いことが多く、大がかりな自動化装置の導入が難しい場合がある。

 こうした課題を解決するため、デンソーウェーブとアールティは冷凍フライ投入システムを開発した。油の近くで行う投入作業をロボットに置き換えて危険作業・人手作業を軽減し、作業者の負荷低減に貢献する。また「COBOTTA PRO」は柵を必要とせず、省スペースでの設置が可能。

 今後は投入用コンベアとの連携だけでなく、自動フライヤーとも連携し、食品ロスや作業者の負担の軽減に取り組むことも検討している。デンソーウェーブとアールティはそれぞれの持つ技術力を活用し、食品工場の課題解決に貢献していく。

 詳細は、ニュースリリース

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