SMCが5月13日に発表した2022年3月期(2021年度)連結業績によると、売上高は727,397百万円(前期比31.7%増)となり、販売費及び一般管理費が人件費の増加を主因に増加したものの、増収効果から営業利益は227,857百万円(48.6%増)となった。受取利息は減少したものの、円安により為替差益が増加し、経常利益272,981百万円(同58.9%増)、税金等調整前当期純利益は272,851百万円(同58.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は192,991百万円(同58.5%増)となった。自己資本当期純利益率(ROE)は、前期に比べ3.9ポイント上昇して13.2%となった。
2021年度(2021年4月〜2022年3月)においては各国の経済活動がコロナ禍から回復に向かい、製造業全般において設備投資意欲が回復したが、半導体不足を含むサプライチェーンの混乱、原材料価格及び物流コストの高騰、ロシアによるウクライナ侵攻など、先行きの不透明な状況が継続している。
自動制御機器(空気圧機器)の需要は、半導体・電機関連分野では、中国・日本を中心に北米・欧州・アジアなど各地域とも引き続き高水準となった。自動車関連分野では、半導体等部品不足による減産の影響は継続しているが、EV・二次電池関連の需要が伸長した。工作機械関連は、海外向けを中心に総じて堅調に推移した。医療機器関連、食品機械関連、その他の業種向けの分野ではコロナ後の新たな省人化・自動化の観点から、需要は堅調に推移している。
このような環境において、SMCグループは、部品の調達不足による生産への影響を回避するため、サプライヤーの複数化や質の向上へむけた様々な取り組みを行った。また、需要の伸長に対応した製品供給能力の確保と生産の持続可能性の向上のための生産拠点の複数化にむけて、引き続き積極的な設備投資に努めた。また、省エネルギー性能に優れた小型・軽量化を進めた新製品や、耐久性能に優れた新製品の開発など、世界中のメーカーに直に接して、そのニーズを汲み上げる積極的な販売活動を引き続き推進してきた。
SMC2022年3月期データ
■今後の見通し
足元の需要動向は、半導体・電機関連分野において、中国、日本、北米、アジアなど各地域で高水準が続いている。自動車関連は、半導体不足による減産の影響は懸念されるものの、年後半には回復に転じるのではないかと見ており、工作機械関連、食品機械及び医療機器向けは引き続き堅調な需要を見込んでいる。しかし、一方で、半導体などの部品材料自体の不足、物流の停滞、中国におけるロックダウンなど新型コロナウイルス感染症の影響、ロシアによるウクライナ侵攻、エネルギー・素材価格の高騰、物価上昇、為替変動など、先行き不透明な状況は続くものと想定される。
SMCグループは引き続き、旺盛な需要に対応するための積極的な設備投資、部材調達力の向上を含むBCP体制の構築、グローバルネットワークの強化などに努めていく。
2023年3月期(2022年度)の連結業績については、売上高805,000百万円(前期比10.7%増)、営業利益255,000百万円(同11.9%増)、経常利益265,000百万円(同2.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益188,000百万円(同2.6%減)と予想している。
為替レートは、1USドル=123円、1ユーロ=133円、1人民元=18円50銭の為替レートを前提にしている。
SMCの2022年3月期決算短信
決算説明資料のページ(5月19日頃公開見込み)