kikai-news.net

酒井重工業、21年度売上は23%増の約266億円、22年度予想は10.2%増の293億円

 酒井重工業 が5月12日に発表した2022年3月期(2021年度)連結業績によると、売上高は、国内外市場ともに需要回復が進み、前年同期比23.0%増の265億9 千万円となった。営業利益は、原材料及び物流費による約5億円相当の原価上昇見通しに対して販売価格改定と 物流効率化を進め、前年同期比97.3%増の13億8千万円、経常利益は同113.6%増の14億 円、親会社株主に帰属する当期純利益は、米国連結子会社において税効果会計に係る会計基準に基づき繰延税金資産 3億8千万円を計上した結果、14億2千万円となった。

 酒井重工業2022年3月期データ

 2021年度(2021年4月~2022年3月)における酒井重工業グループを取り囲む事業環境は、地球温暖化対策の本格化と米中冷戦構造の激化に加え、ウクライナ危機勃発を契機とした国際安全保障環境の流動化が進み、この 副作用としてエネルギー・部材価格の構造的上昇や、サプライチェーンの混乱とコンテナ運賃高騰が続くなど、激動する世界情勢の中でポストコロナ時代の経済回復が進んできた。このような情勢の下で酒井重工業グループでは、価格決定力と製品供給力の強化、ESGとDXによる持続可能な経営体制づくり、海外事業と次世代事業による中長期成長戦略を進めた。

連結地域区分別売上高

 国内向け売上高は、国土強靭化加速化対策を背景として好調な販売が続き、前年同期比9.6%増の142億9千万円と なった。

 海外向け売上高は、主要市場においてポストコロナ時代の市場回復が広がり、前年同期比43.4%増の123億円となった。北米向け売上高は、好調な建設投資の下で力強い需要回復が進み、前年同期比55.3%増の50億3千万円となった。アジア向け売上高は、好調なインドシナ半島諸国に加え、停滞していたインドネシアでも需要回復が進み、前年同期比33.7%増の64億9千万円となった。中近東・ロシアCIS向け売上高は、営業活動が停滞し、前年同期比35.3%増の4千万円に留まった。その他市場向け売上高は、中南米、大洋州、アフリカともに回復基調に推移し、前年同期比62.7%増の7億3千万 円となった。

■所在地別セグメントの業績

 日本:堅調な国内販売に加えて海外子会社向け製品・部品輸出が増加し、総売上高は前年同期比15.5%増の213億6千万円、営業利益は前年同期比19.6%増の8億8千万円となった。

 海外:米国では、需要回復に伴い販売が好調に推移し、総売上高は前年同期比55.4%増の50億8千万円、営業利益も前年同期のゼロに対して3億2千万円となった。インドネシアでは、第三国向け輸出及び国内販売共に増加し、総売上高は前年同期比72.2%増の51億5千万円、営 業利益も前年同期の1千万円に対して2億7千万円となった。中国では、国内市場開拓とグループ企業向け製品・部品輸出による事業再生を進めているが、中国市場が停滞する中で国内販売が伸び悩み、総売上高は前年同期比32.9%増の9億7千万円、営業利益は前年同期比2百万円改善 の7千万円と損失が続いた。

今後の見通し

 今後国内では、総額15兆円の防災・減災、国土強靭化の為の5カ年加速化対策、米国では総額1兆2千億ドルのインフラ投資計画、ASEANや新興諸国でもインフラ投資拡大による景気刺激策が打ち出されているので、世界の建設機械需要は、激動する世界情勢の中で一進一退を繰り返しつつも底堅い回復基調に推移するものと期待される。一方で、益々加速する脱炭素政策や世界経済のブロック化の影響として、エネルギー・部材価格の更なる上昇や、グローバル・サプライチェーンの再編圧力が強まるものと予想される。

 このような情勢の下で酒井重工業グループでは、販売価格改定とコスト低減による収益構造改革、サプライチェーン強靭化による製品供給力強化、ESGとDXによる持続可能な経営体制づくり、事業成長と資本政策を2本柱とした経営への転換を進めていく。また引き続き、需要変化対応力の強化、アジア市場深耕と北米市場展開、海外事業領域の拡大、新技術活用による次世代事業開発、活力ある企業文化づくりを進めることにより、中長期的な事業成長と企業価値の向上を目指していく。

 2023年3月期(2022年度)の連結業績は、売上高293億円(前期比10.2%増)、営業利益15億円(同8.4%増)、経常利益14億5 千万円(同3.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9億5 千万円(33.4%減)を予想している。

 酒井重工業の2022年3月期 決算短信

 決算説明資料

 

モバイルバージョンを終了