生活必需品容器を中心とした引き合いは底堅いものがあるものの、不透明な景況感の 影響を受け、顧客需要が一部市場で弱含んだため、受注高は14,540百万円(前年同期比76.1%)、受注残高 は11,623百万円(前年同期末比70.0%)と前年同期を下回った。
■経営成績に関する説明
第2四半期連結累計期間(2021年10月1日~2022年3月31日)の世界経済は、コロナ禍からの経済活動再開の動きが世界各地で見られる一方、資源価格の高騰やサプライチェーンの混乱が企業活動の足枷となる中、ロシアによ るウクライナ侵攻がインフレを更に加速させる懸念もあり、先行き不透明感が一層増している。
一方で、同社グループの属するストレッチブロー成形機業界においては、不透明な景況感に起因した一部顧客による設備投資意欲の減退など、事業活動への一時的なマイナス影響はあるものの、安全で衛生的なプラスチッ ク容器の需要は底堅いものがあり、事業活動は今後も堅調に推移すると思われる。
こうした環境下、同社グループは「人と社会に豊かさを提供する」「高い技術、サービスで恒久的な存続を追求 する」との経営理念に基づき、中長期的な成長発展方針を継続し、事業規模の拡大を見据えた各種戦略的施策の展開に注力した。
技術面では、同社の得意領域である、高品質・高付加価値生産が特徴のワンステップ成形機の優位性を高める 「ゼロ・クーリングシステム」の更なる進化を図り、製品競争力の向上に努めた。また、大量生産機のシェア 拡大や、環境問題を含む幅広い用途への利用を企図して、高品質・高付加価値な新型機群の開発を強化している。
販売面では、主力のワンステップ成形機を中心に競争力強化による市場喚起を行っている。特に、世界各地で再開されつつある主要展示会への出展を加速することで、グローバルでの営業活動を強化している。なお、 高品質な飲料系ボトルの大量生産を得意とする1.5ステップの大型機「PF36シリーズ」は継続して受注を獲得しており、顧客と市場の幅を着実に広げている。
生産面では、グローバル生産体制の最適化を図るため、増産対応とリスク分散を進めている。具体的には、 インド工場での成形機等の生産能力増強と納期短縮を図るべく、工作機械等への設備投資を継続している。な お、日本国内においては、将来の事業拡大に備え、本社工場近隣に新たな工場用地を取得した。
環境対応技術では、「3R+Renewable」への取り組みを継続し、「材料使用量の削減」、「PETボトルリユースの 提案」、「リサイクル材料の使用促進」、「バイオプラスチックのボトル成形」などのソリューションを提供する ことで、環境配慮型の技術提案を強化している。なお、リサイクル材料を使った二層成形法には国内外からの 多くの引き合いがあり、市場萌芽に向けた環境技術対応を今後も続けている。
■ 製品別の売上高状況
■セグメントの業績
<米州 >
<欧州 >
コロナ禍からの経済正常化の動きが見られる一方、ロシアによるウクライナ侵攻等の影響もあり、域内では顧客需要の弱含みが見られる。そのため、地域全体の売上高は2,432百万円(前年同期比64.0%)と減収となった。セグメント利益も売上規模の減少等により255百万円(同53.3%)と減益となった。
<南・西アジア>
インドを中心に中小型機の引き合いには底堅いものがあるものの、域内の新興国にはコロナ禍による影響が色 濃く残る地域もあり、売上高は4,855百万円(前年同期比92.3%)と減収となった。セグメント利益もイン ドにおける継続的な設備投資の影響等により411百万円(同43.7%)と減益となった。
<東アジア >
日本国内での大型機の引き合いが堅調に推移した結果、地域全体の売上高は3,197百万円(前年同期比
128.3%)と増収となった。一方、セグメント利益はグループ会社向けの売上減少の影響等により2,994百万 円(同77.8%)と減益となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2022年9月期の連結業績予想については、下記のとおり2021年11月10日公表の予想に変更はない。
売上高300億円(前期比16.4%減)、営業利益54億円(同38.2%減)、経常利益55億円(同42.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益38億円(同43.1%減)。