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日立造船、2021年度売上は8.1%増の約4,418億円、22年度予想は4,400億円

 日立造船が5月11日に発表した2022年3月期(2021年度)連結業績によると、受注高は、環境部門の大幅な増加などにより、前期を上回る6,779億49百万円(前期比57.9%増)となった。また、売上高は、機械・インフラ部門が減少したものの、環境部門等の増加により、前期を上回る4,417億97百万円(同8.1%増)となった。 損益面では、営業利益・経常利益とも、それぞれほぼ前期並みの、155億41百万円(同0.9%増)および117億83百万円(同0.1%減)となった。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、ドイツの会社を連結子会社化したことに伴う負ののれん発生 益を特別利益に計上したこと等により、前期を上回る78億99百万円(同85.5%増)となった。

 日立造船2022年3月期データ

連結業績の概要

 2021年度の経済情勢は、海外では、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和される中で、一部に厳しい状況が残るも、全体として持ち直しつつある。国内においても、同様に感染症による影響が緩和され、設備投資等に持ち直しの動きがみられ、全体として持ち直しつつある。先行きについては、感染症およびウクライナ情勢が国内・海 外経済に及ぼす影響等に留意する必要がある。

 こうした中で、同社グループでは、2020年度からスタートした中期経営計画「Forward 22」のもと、製品・サービ スの付加価値向上、事業の選択・集中の推進とリソースの伸長分野へのシフト、業務効率化・生産性向上による働き方改革の実現を基本方針として、各種重点施策を鋭意推進している。

セグメント別概況

<環境部門>

 海外ごみ焼却発電施設の大口工事の進捗により、売上高は前期を上回る3,071億76百万円(前期比14/0%増)となった。一方で、高収益案件の減少等により、営業利益は前期を下回る124億28百万円(同1.6%減)となった。

<機械・インフラ部門>

 プロセス機器および自動車業界向けプレス機械の減少等に伴い、売上高は前期を下回る1,262億64百万円(19.4%増)となり、営業利益も前期から微減の26億17百万円(横這い)となった。

<その他部門>

 売上高は前期を上回る83億56百万円(横這い)となり、営業利益も前期を上回る5億25百万円(約5倍)となった。

 なお、当年度より、セグメント区分を変更している。これに伴い、前連結会計年度の数値についても、変更後の区分に組み替えて記載している。

次期の見通し

 同社グループは、2022年4月1日にて、温暖化対策技術のイノベーションを推進し、脱炭素化社会構築に取り組み、成長と収益化を目指すため、脱炭素化事業本部を新設する。これに伴い、次年度より、報告 セグメントを 「環境事業」、「機械・インフラ事業」および「その他事業」の3セグメントから、「環境事 業」、「機械・インフラ事業」、「脱炭素化事業」および「その他事業」の4セグメントに変更する。

 次期の連結業績の見通しについては、受注高は、2021年度に海外子会社における長期運営事業の受注があったことか ら、2021年度を下回る5,000億円(前期比26.2%減)を目標とした。一方、売上高は、売電事業で減少を見込むも脱炭素化事業で増加を見込み、2021年度とほぼ同レベルの4,400億円(0.4%減)を見込んでいる。

 損益面では、営業利益は、国内及び 海外のごみ焼却発電設備建設案件の売上増加等により、2021年度を上回る20,000百万円となる見込み。ま た、経常利益は16,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10,000百万円となる見込み。

 なお、ウクライナ情勢および新型コロナウイルス感染症の影響については、現時点では軽微であると予想している。今後業績予想に修正の必要が生じた場合は、速やかに開示する。

 日立造船の2022年3月期決算短信

 決算説明資料

 

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