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牧野フライス製作所、21年度売上は59.8%増 の1,865億円、22年度予想は12.5%増の2,100億円

 ㈱牧野フライス製作所 が4月28日に発表した2022年3月期(2021年度)連結業績によると、売上高は1,865億91百万円(前年同期比59.8%増)、営業利益113億 円、経常利益142億74百万円、純利益120億42百万円となった。

 また受注は2,289億60百万円(前年同期比95.0%増)で21年度を大きく上回った。コロナウイルスの影響から経済活動が立ち直るに伴って受注が好調に推移した。21年度に見合わせとな っていた案件の決定も加わり、過去最高となった。

 牧野フライス2022年3月期データ

セグメント別の受注状況(現地通貨ベース)

<セグメントI >(牧野フライス製作所「個別」および国内連結子会社)

 牧野フライス製作所の国内受注は前年度を大きく上回った。 半導体製造装置の部品加工向けが好調だったことに加え、自動車の金型向けが増加したことを中心 に受注が増加した。医療向けは堅調に推移した。このほか建機、農機、油空圧機器などの一般機械向けの受注など、幅広い産業で受注が回復した。

<セグメントII >( MAKINO ASIA PTE LTD )

 アジアは中国向け中心に 21年度を大きく上回った。中国では自動車の部品加工向けで、新エネルギー車関連のまとまった案件が受注をけん引した。電気電子の金型向けは引き続き堅調だった。

 インドにおいては自動車の部品加工向けを中心に増加した。アセアン地域は、半導体製造装置や自動車向けが増加した。

<セグメントIII> ( MAKINO INC.)

 アメリカは21年度を大きく上回った。 ピックアップトラック、商用トラック、半導体製造装置、医療の部品加工向けを中心に増加した。航空機向けは、民間航空機のエンジンや構造部品、防衛関連などさまざまな受注が下期に一時的に集中し、2021年度から大きく増加する結果となった。

<セグメントIV >( MAKINO Europe GmbH )

 ヨーロッパは21年度を大きく上回った。半導体製造装置や自動車、産業機器の部品加工向けを取 り込んだことで、航空機向けを除き、好調時の受注水準に戻った。

今後の見通し

 2022年度の受注は、アメリカや中国などを中心に、21年度を下回る見通し。21年度に受注が集中した要因を除けば、22年度も高水準の受注が継続する計画。

セグメント別の受注見通し(現地通貨ベース)

<セグメントI >(牧野フライス製作所「個別」および国内連結子会社)

 牧野フライス製作所の国内受注は、おおむね21年度並みの推移をする見通し。半導体製造装置向けを中心に、引き合いが堅調に推移している。医療や半導体関連向けのレーザ加工機の商談も複数進行しており、着実に受注を獲得できるよう取り組む。

<セグメントII >( MAKINO ASIA PTE LTD)

 22年度のアジアは、21年度を下回る見通し。中国は、自動車向けの大型受注があった21年度を下回る見通しです。引き合いの件数でみた新エネルギ ー車向けは増加傾向にある。電気電子関連の金型向けは継続すると見ている。このほか、半導体製造装置や油空圧関連の部品加工向けも堅調に推移すると期待している。インド、アセアンにおいては、コロナウイルスによる経済活動への制約が解消に向かうことで、21年度を上回るとみている。

<セグメントIII >( MAKINO INC.)

 22年度のアメリカは、21年度を下回る見通し。 航空機向けでは、21年度に集中したさまざまな受注が一段落した中でも、エンジンや、 防衛、宇宙産業向けについては受注増が期待できる。ビジネスジェット向けは堅調を維持している。インプラントや人工骨などの医療関連や、半導体製造装置の部品加工向け受注の獲得に一層注力する。

 自動車向けは、受注の維持に努める。これらのほか、高度な部品加工を手掛けるジョブショップの顧客向けにワイヤ放電加工機の受注が伸びており、拡販に努める。 

<セグメントIV >( MAKINO Europe GmbH )

 次期のヨーロッパは、おおむね21年度並みの水準となる見通し

。EVなどの自動車向けや、半導体製造装置をはじめとした一般機械の部品加工向け、および航空機向け が堅調に推移すると見ている。 欧州エネルギー危機の進展次第では、受注が影響を受けるリスクがある。再生可能エネルギーの需要がさらに高まるとみて、風力などの発電設備に向けた営業活動を展開する。

■2023年3月期(2022年度)の見通し

 2023年3月期(2022年度)の連結業績予想は、次のとおり。 (%表示は、通期は対前期、第2四半期連結累計期間は対前年同四半期増減率)

 売上高2,100億円(前期比12.5%増)、営業利益144億円(同27.4%増)、経常利益150億50 百万円(同5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益130億円(同7.9%増)。

 多くの受注残があることと、高水準の引き合いが継続していることから、次期売上は過去最高となる計画。引き続き部材の調達は困難で、リードタイムが長いままだが、設計変更や内製化を進め、売上計画の達成に努める。調達コストや人件費が増加していることで、利益の伸びが抑えられる見通し。現在、コストダウンを目的としたプロジェクトを立ち上げ、コストを低減する体制づくりに取り組んでいる。

 牧野フライス製作所が今後も顧客に製品・サービスを供給していくにあたって、高い精度や生産性の実現だけでな く、サステナビリティ、特に環境への配慮がますます重要になっている。

 同社の製品は、効率的に加工できることで機械稼働時の消費電力が抑えられるだけでなく、「Ecoス イッチ」という、機械が稼働していない時の消費電力も削減できる機能を搭載している。さらに、子会社の牧野技術サービスにて、古くなった機械をオーバーホールするサービスを開始 した。これによって顧客は同社製品を安心して長く使うだけでなく、1台当たり数 トンに及ぶ資源の廃棄を抑えることができる。こうした取り組みを推進して、顧客の利益ならびにサステナビリティの実現に資するよう取り組む。

 ㈱牧野フライス製作所の2022年3月期決算短信

 

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