・次世代ディスプレイ向け量子ドットの生産及び研究開発
今回の新事業所開設の目的は、希土類元素※1など稀少資源に頼らない次世代ディスプレイの需要拡大に対応するため、核心的材料である量子ドット※2を市場に安定して供給できる体制を整えること。
また、量子ドットを生産する糸島事業所は、福岡県が目指す環境配慮型製品の開発・生産拠点の構築に寄与することから、グリーンアジア国際戦略総合特区の特区法人認定を受け、立地協定の締結と共に特区法人指定書の交付が行われた。
※1 希土類元素::レアアースと呼ばれ、産出量が少なく、抽出が難しいレアメタル(稀少金属)の一種
※2 量子ドット:大きさ2nm~10nm の半導体ナノ粒子。エネルギーを与えることで発光する特性を持ち、粒子のサイズによって色が変化する。
<工事スケジュール>
着工:2022年初夏
竣工・操業開始:2023年10月予定
<施設概要>
名称:昭栄化学工業株式会社 糸島事業所
所在地:福岡県糸島市東1999-23
敷地面積:約14,600m²
投資予定額:初期投資額 約60億円
新規雇用予定者数:50名(操業開始から3年間の予定者数)
業務内容:次世代ディスプレイ向け量子ドットの生産及び研究開発
*量子ドットは、次世代ディスプレイの他、医療や農業、偽札の防止技術など、幅広い業界に活用されることが期待されている。他用途への展開も視野に入れ、この新事業所を起点にさ らなる研究開発にも注力していく。
■グリーンアジア国際戦略総合特区について
・ 平成23年12月、北九州市、福岡市とともに、国から指定を受けた「国際戦略総合特区」の一つ。
・ これまで地域に蓄積された産業、技術、人材、ネットワークとアジアとの近接性などの
強みを生かし、環境配慮型製品の開発・生産拠点の構築に向けた取組等を進めている。
・ 本特区では、国の支援制度の積極的な活用や、不動産取得税、固定資産税の課税免除、企業立地促進交付金の上乗せ措置などの地域独自の取組により、企業の生産拠点化や研究開発機能の集積・強化に向けた動きが加速している。
・ 国の支援制度を活用した企業の設備投資額は約 3,770 億円、約 1,960 人の新規直接雇用者が創出されるなど、大きな成果を上げている。