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三菱重工、航空エンジン向け燃焼器製造の「MHIAEL長崎工場」拡張計画を決定

・内製力・コスト競争力を一層強化し、アフターコロナの再成長に対応
・同工場で生産する短・中距離旅客機用エンジン燃焼器の需要増に対応、完成は2024年3月の予定
・海外メーカーに委託している一部の製造工程も取り込み、燃焼器の完全一貫生産を実現

三菱重工業は4月22日、長崎造船所(長崎市飽の浦町)の敷地内で航空エンジン部品の製造を手掛ける三菱重工航空エンジン(MHIAEL、愛知県小牧市)長崎工場の拡張を決定したと発表した。今後、同工場で生産する短・中距離旅客機用のエンジン部品はさらなる需要増が見込まれることから、第2期棟を建設して工場を拡張し、内製力とコスト競争力をより強化するとともに、アフターコロナで再成長が見込まれる業界ニーズに的確に応えられる体制を整える。第2期棟の完成は2024年3月の予定。

 エアバスA320neoに搭載するエンジン「PW1100G-JM」向け燃焼器を製造する同工場の第1期棟は、2020年11月の稼働開始後から段階的に生産規模を拡大し、現在は全ての生産ラインがほぼ計画通りに稼働している。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により急激に落ち込んだ航空業界全体の需要は、国内線中心の短・中距離旅客機に関しては比較的早い回復を果たしており、エアバスA320neoの飛行時間は既にコロナ前の水準を上回っている。

 旺盛な狭胴機需要に応えるため、エアバス社はA320neoの段階的な増産を計画しており、PW1100G-JMの燃焼器部品とそのアフターサービスに対する需要は、今後数年間で倍増する見通し。今回の第2期投資では、第1期棟の北側および東側に隣接して第2期棟を建設し、工場を現在の約5,400m2から約2倍の1万1,000m2に拡張する。また、現在は海外メーカーに委託している一部の製造工程を取り込み、燃焼器の完全一貫生産を実現するとともに、生産設備を増強して大幅な増産に備える計画。

 MHIAEL長崎工場は、航空エンジンの重要部位である燃焼器の製造に特化した九州地区初の本格的な航空機関連工場。燃焼器部品の素材受け入れから加工、組立まで一貫して手掛けることができる生産ラインを有しており、加工難度が極めて高い航空エンジン部品を高効率で製造するため、最新鋭の工作機械や自動搬送・自動工具交換システムなどの自動化・省人化技術を導入している。また、MHIAEL本社工場で培ったIoT(モノのインターネット)/AI(人工知能)技術などを移転・活用することにより、航空エンジン部品工場としては世界最高レベルの生産性を実現している。

 三菱重工グループは、世界の民間航空機用エンジンの長期的な需要増を見据え、事業拡大と生産体制整備を進めており、今回の工場拡張計画もこうした取り組みの一環。また、航空エンジンのMRO(Maintenance,Repair & Overhaul:修理・整備)事業拡大にも積極的に取り組んでおり、MHIAEL本社工場では新規MRO事業立ち上げに向けて着々と体制を整えている。

 三菱重工は今後も、MHIAELと緊密に連携しながら航空エンジンの開発・製造・アフターサービスにおける技術力・信頼性の向上ならびに生産能力の拡充に努め、日本における航空機産業の発展に貢献していく。

■三菱重工グループについて
 三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
 長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 モビリティの電化・知能化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

 ニュースリリース
 *リリース内容から「一部ですます調」で表記しています。

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