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日本電産マシンツール、新設計の直線位置検出器「MPLW シリーズ(仮称)」を開発

・従来性能を維持しつつ、機能追加と低価格を実現
・新設計によりスケール配線とアナログ/デジタル変換器を不要に

 日本電産マシンツール(滋賀県栗東市)は4月5日、機械の位置決め・送り量などをデジタル検出する電磁誘導方式の直線位置検出器「MPLW シリーズ」を新たに開発したと発表した。従来の MPLZ シリーズと同等の分解能※1、 精度を持ちながら、新開発の信号検出方法と基板の高集積化により、スケール配線およびアナログ/デジタル変換 器(以下、A/D 変換器)を不要としたほか、スライダーを複数設置できるマルチスライダー機能を追加、かつ低価格での提供を実現した。2022年秋から工作機械をはじめとした産業機械分野へ市場投入する。

 MPLW シリーズは一般機械の直線軸の位置検出に用いる分解能 0.01μm 、ピッチ精度※25μm の高精度なスケール。従来の MPLZ シリーズは、対象機械にスケールとスライダーを取り付け、双方から配線を接続して電気信号を NC(数値制御)装置で送受信していた。

 今回、スケールからの信号を相互干渉無く受信する検出パター ン※3 を開発、この信号検出方法により、スケール配線を不要にした。また、スケールからの電気信号をデジタル信号に変換する A/D 変換器の機能をスライダーに内蔵するため、基板の高集積化を図り、スケールとスライダーのみで機械の制御装置と信号の送受信を可能とした。これらの技術開発により、スケール配線と A/D 変換器が不要に なり、部品点数と製造工程の削減につながったほか、顧客での取り付け作業も大幅に容易化した。さらには、 新たな機能として1本のスケールに複数のスライダーを設置することができるマルチスライダー機能を追加、幅広い用途 に対応する。

 MPLW シリーズの最大の特長である電磁誘導方式は、検出精度がゴミ・油・結露によって影響を受けない優れた耐 久性を有している。また、完全非接触構造による長期安定した精度維持、熱影響を受け難いなどの特長があり、 多様な産業分野から支持を得ている。

 日本電産マシンツールは今後も工作機械関連技術と日本電産グループのモータ関連技術やグローバルネットワークを活用して、新製 品の開発を進め、一層多様化する顧客ニーズに応えていく。

※1分解能 :物理量を測定値として数値に表す最小単位。
※2ピッチ精度 :1m 内の範囲で生じる最大誤差量
※3検出パターン:スケールとスライダーの表面に施された銅箔の形状

 ニュースリリース

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