日揮ホールディングスは4月6日、台湾の大手建設会社、榮工工程股份有限公司、台湾のエンジニアリング会社 、杜風工程服務股份有限公司、ほか1社とコンソーシアムを組み、台湾最大手の石油・ガス会社である台灣中油股份有限公司(以下、CPC社)より、LNG受入基地の建設プロジェクトを受注したと発表した。受注金額は約600億円で、うち日揮分は約340億円。
現在、台湾は、エネルギー政策として全ての原子力発電所の停止および脱石炭火力発電を掲げており、液化天然ガス(LNG)や再生可能エネルギーなどのクリーンエネルギーの積極的な導入を進めている。受注したプロジェクトはその政策の一環として、既存の台中LNG受入基地を拡張し、新たにLNG受入基地を建設するもの。
日揮コンソーシアムが受注した案件は、このLNG受入基地内に8基(計1,600トン/時)の気化設備とその付帯設備を建設する。案件の受注に際しては、日揮コンソーシアムの顧客ニーズを反映した技術提案力、品質・安全と短納期を両立するプロジェクト遂行計画、各社の豊富な実績を最大限発揮できる遂行体制がCPC社から高く評価された結果であるとしている。
台湾は、2025年までに天然ガス火力発電を総発電量の50%(現状約30%)に引き上げる計画を掲げている。このため、CPC社および台灣電力股份有限公司(TPC社)は、積極的にLNG輸入や貯蔵容量の拡張に取り組んでおり、今後も新規LNG受入基地建設が複数計画されている。今回のプロジェクトを成功裏に完遂し、台湾における後続案件の受注を目指す。
加えて、日揮グループは、中期経営計画「BSP2025」において、アジア地域におけるLNG受入基地分野をEPC事業の成長市場・分野と位置付けている。同案件の受注を皮切りに、更なる受注獲得に繋げ、さらにLNGの利用拡大を通じて地球環境保全にも貢献していく。
<受注概要>
契約先:台灣中油股份有限公司(CPC Corporation、「CPC社」、本社:高雄市)
建設場所:台湾台中市
役務範囲:LNG受入基地(LNG気化設備(8基)およびその付帯設備)に係る設計、調達および建設工事、試運転(以下「EPCC」)役務
契約形態:ランプサム契約
受注金額:約600億円 (うち日揮分約340億円)
納期:2024年予定