・JICA初の事業・運営権対応型案件を通じ、プノンペン近郊の水道発展に貢献
㈱神鋼環境ソリューション(神戸市中央区)は3月23日、㈱クボタ建設、㈱北九州ウォーターサービス、㈱建設技研インターナショナル、㈱TECインターナショナルと共同事業体を構成し、独立行政法人 国際協力機構(JICA)による日本の政府開発援助(ODA)の無償金協力案件「タクマウ上水道拡張計画」について、カンボジア王国プノンペン都のPhnom Penh Water Supply Authority(以下、PPWSA)との間で請負契約を締結したと発表した。
カンボジアの首都プノンペンから南方に位置するカンダール州の州都タクマウ市では、人口や商工業施設の急激な増加により、水需要が増大している。現在は、PPWSAが保有・運営するプノンペン都内の二ロート浄水場からタクマウ市へ送水されているが、既存の供給能力では将来的な給水不足が懸念されている。同事業では、タクマウ市に新たな上水施設を整備し、整備後も10年間の運営維持管理業務を行うことにより、安定的な給水体制を確保する。
また、同事業は、JICA初の事業・運営権対応型無償資金協力*の対象事業となる。日本企業が施設の設計・建設に加え、運営・維持管理までを行うことで、日本で培われたノウハウや技術を活用した、効率的な給水サービスが期待されている。
同案件は神鋼環境ソリューションとして、カンボジアで8件目の上水施設整備案件となる。神鋼環境ソリューションは「今を越える発想で、健やかな環境と暮らしを次世代へ」をミッションとする中で、引き続き、カンボジアを含めた東南アジア地域での水処理ビジネスを推進し、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」の達成に貢献していく。
<案件概要>
納入先:Phnom Penh Water Supply Authority(プノンペン水道公社)
建設場所:カンボジア王国カンダール州タクマウ市
施設規模:上水施設 処理能力30,000 m3/日
事業内容:DBO方式(設計:Design・建設:Build・運営:Operation)
構成企業:
(1) 設計・建設業務:株式会社クボタ建設(代表企業)
株式会社神鋼環境ソリューション
株式会社北九州ウォーターサービス
株式会社建設技研インターナショナル
株式会社TECインターナショナル
(2) 運営・維持管理業務:株式会社神鋼環境ソリューション(代表企業)
株式会社北九州ウォーターサービス
株式会社クボタ建設
株式会社建設技研インターナショナル
(特別目的会社を設立予定)
工期・履行期間
(1) 設計・建設業務: 33ヶ月間
(2) 運営・維持管理業務: 10年間
*事業・運営権対応型無償資金協力
経済便益は高いものの、事業採算性が低い官民連携(PPP)事業において、開発途上国政府が事業費の一部を負担することにより採算性の確保が見込まれる事業に対し、無償資金を供与する案件。施設建設から運営維持管理まで包括的に実施する公共事業が対象となる。