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IHI、インド火力発電所におけるアンモニア混焼を見据え、技術的検討および経済性の検証を開始

 IHIは3月22日、インド民間最大手の発電事業会社Adani Power(アダニ パワー) Ltd.(以下、APL)及び興和と3社共同で、インド国内の石炭火力からのCO₂排出量削減を目指し、APL所有のAdani Power Mundra(アダニ パワー ムンドラ)石炭火力発電所へのアンモニア混焼の適用の技術及び経済性の検証を共同で行うMoU(基本合意書)に調印したと発表した。当該発電所における既設石炭焚きボイラへのアンモニア20%混焼の実施を前提とした各種技術検討等を行うとともに,将来的に専焼まで混焼率を拡大すべく、検討と議論を行っていく。

 インド政府は2070 年までに温室効果ガス排出量ゼロを目指し、火力発電所における水素・アンモニアの利活用を検討している。この方針を踏まえ、APLと興和は、APL所有の石炭火力発電所に適用する水素・アンモニアの利活用の技術について調査を進めていた。また IHIは、国内商用石炭火力発電所において世界初となるアンモニア20%混焼実証の実施を目指しており、このほど、3社で協議した結果、インドにおけるアンモニア混焼をより加速するべく、技術的検討および経済性の検証を行う運びとなった。

 3社は、今回のアンモニア混焼に関する検討を、APL所有の他石炭火力発電所やインド国内他石炭火力へ展開することも見据えている。この取り組みは2022年3月19日にインドと日本の両国政府より発表された、エネルギー安全保障の確保、カーボンニュートラルと経済成長の実現を目的とした「日印クリーン・エネルギー・パートナーシップ(CEP)」に合致しており、取り組みを通じてインド全体のカーボンニュートラルに具体的に貢献していく。また,日本で進行中の研究開発、設備実証、社会実装とあわせ,世界的な燃料アンモニアサプライチェーンの社会実装に取り組む。

 IHIは、アンモニアの多様な利用モデルを示すとともに、将来的な需要増大へ対応する燃料アンモニアサプライチェーンの構築を進めることで、燃料アンモニア社会実装の早期実現と、質の高いインフラ提供によるグローバルな環境負荷の低減に貢献していく。

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