王子ホールディングスは2月28日、 グループ会社である 王子エフテックス(東京都)が、滋賀工場(滋賀県湖南市)において、主 に電動車※1 のモーター駆動制御用インバーターユニットのコンデンサに使用される、二軸延伸ポリプロピレ ンフィルム(以下、OPP)の生産設備を新設し(2024 年稼働開始予定)、生産能力を現行比 2.3 倍※2 にするこ とを決定したと発表した。
同社は 2021 年 3 月に 2023 年に稼働予定の生産設備の増設を発表しているが、その後も脱炭素化 への動きは加速しており、2021 年 11 月に開催された COP26 において、「主要市場で 2035 年までに、世界 全体では 2040 年までに販売されるすべての新車を電気自動車などのゼロエミッション車とする事を目指す。」 との共同声明が発表されている。
今後この目標達成に向けて、主要国における電動車へのシフトはいっそう進むことが見込まれ、それに伴 いコンデンサ用 OPP の需要も拡大することが想定される。同社はこの世界的な需要拡大に対応するため、 更なる生産能力の拡大を図ることにした。
電動車の燃費向上や快適な車内空間確保のため、車載部品は小型化・軽量化が求められ、コンデンサ用 OPP については、常に薄膜化が求められている。
王子エフテックスは 40 年以上にわたるコンデンサ用 OPPの生産実績を誇り、2019 年には当時世界最薄レベルとなる厚さ 2.0µmOPP の営業生産を開始するなど、薄膜化と絶縁性を高いレベルで両立する独自の 生産技術と安定供給能力を有している。
王子グループは、今後も経営理念の一つである「革新的価値創造」のもと、社会構造の変化に伴う新たな ニーズに柔軟に対応し、温室効果ガス排出量の削減、持続可能な社会への実現に貢献していく。
※1 電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド車および燃料電池車。
※2 2022 年 2 月時点との比較。