・水素を熱源としたコーヒー焙煎技術の開発や太陽光・水力等の再生可能 エネルギーの活用を通じ、カーボンニュートラルなコーヒー製造を目指す
UCC上島珈琲(神戸市)は3月2日、山梨県笛吹市に「UCC山梨焙煎所」の新設を決定したと発表した。これまで培った製造技術を凝縮した高品質・高効率な焙煎所運営を図るとともに、水素を熱源としたコーヒー焙煎を可能にする水素焙煎機の開発や太陽光・水力等の再生可能エネルギーの活用を通じ、「カーボンニュートラルなコーヒー製造※1」にチャレンジしていく。竣工は2024年上期を予定している。
UCCグループは、昨年10月に新たな経営方針として「私たちの存在意義(パーパス)」「私たちの価値観(バリュー)」を制定し、コーポレートメッセージを「ひと粒と、世界に、愛を」へと一新した。より良い世界のためにコーヒーを通じてできることは何か、ステークホルダーの皆さまとどのように協働し新たな価値を創り出すかを考え、今回一つの大きなかたちとして「UCC山梨焙煎所」設立を決定した。
■新設する「UCC山梨焙煎所」の特長は以下の3点。
1.官民・業界の垣根を越えた連携で、水素を熱源としたコーヒー焙煎を可能にする水素焙煎機の開発や太陽光・水力等の再生可能エネルギーの活用を通じて、2030年に二酸化炭素排出量51%削減(2019年比)、2040年にカーボンニュートラルなコーヒー製造※1を目指す。
・本件に関連し、山梨県企業局、東京電力エナジーパートナー(株)、(株)巴商会、東レ(株)と共同にて、水素を熱源とした脱炭素エネルギーネットワーク「やまなしモデル」技術開発事業を開始する。
・コーヒー焙煎の熱源においては、一般的にLNG等の化石燃料が使用されます。本熱源をクリーンエネルギーである水素に代替するイノベーションに挑戦していく。
2.これまで培った製造技術を凝縮し、最新鋭の設備導入やAI活用・更なるFA化を推し進め、高品質・高効率な焙煎所運営を図る。
3.従来の製品群に加えて、カプセル、フレッシュキューブ(小容量真空パック)、ワンドリップタイプ(一杯抽出)等、高付加価値製品の製造能力強化を図る。
UCC上島珈琲は、焙煎所でのチャレンジ、協働・共創を通じて、コーヒー業界の発展、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく。
※1 カーボンニュートラルなコーヒー製造:本焙煎所におけるスコープ1、2の温室効果ガス(自社施設の燃料の消費、フロン類の漏洩、社有車の使用に伴う直接排出量及び自社施設で購入した電気・熱の使用に伴う間接排出量)において100%削減を実現すること。
<「UCC山梨焙煎所」概要>
所在地:山梨県笛吹市八代町南4277
敷地面積:約34,814㎡(総床面積12,000㎡予定)
稼働開始予定:2024年上期
製造品目:レギュラーコーヒー、コーヒーカプセル、ワンドリップコーヒー、フレッシュキューブコーヒー
製造する主な製品ブランド:上島珈琲店、ゴールドスペシャル、職人の珈琲、ドリップポッド、各種業務用ブランド
総事業費:約143億円(計画)