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建機業界のピークには程遠く、今年は「前半は低く後半は高く」なる・・・・・現地メディア

 証券時報:2022 年 2 月 21日

 建設機械業界は、まだ調整周期にある。中国工程机械(建設機械)工業協会が油圧ショベルメーカー26社に対し集計した統計によると、2022年1月の各種油圧ショベルの販売台数は 15,600 台で、前年同 期比 20.4%減少している。同時に、投資依存の循環型産業である建設機械は、原材料の高騰、サプライチェーンの逼迫、排出ガスのグレードアップなど、多くの不確実性要因に直面しており、投資家にとっては、業界の方向性がつかみにくい状態にある。

 しかし、業界の転換点のきっかけは現れている。

 「個人的には、2022年の業界動向については楽観している」と、就任してちょうど 1 ヵ月の三一重工(600031)の向文波董事長は、数日前の公式声明で、自己の就任感想は語ら ず、主に建設機械業界へ「発破」をかけている。同氏は、第1四半期、上半期は下落するかもしれないが、下半期には回復する見込みであり、通年では「前半は低く、後半は高く」なると述べ、同時に、建設機械業界はピークには程遠いことを強調している。

■輸出売上高は高い成長を持続している

 月次販売データによると、2021年4月以降、建設機械業界は「前半は高く、後半が低 い」曲線を脱して調整期間に入り、最終的には、第1四半期の「長陽」と輸出の急増により、 通年で微成長をやっと維持した。

 中国工程机械(建設機械)工業協会の統計データによると、2021年1月から12月にかけて、統計に取り入れられている25社の母機メーカーが販売した、各種油圧ショベル製品は合計348,000 台で、前年同期比4.6%の増加である。そのうち、国内市場販売台数は 274,400 台で、前年同期比 6.3%の減少である。

 建設機械業界は調整周期に入ってはいるが、構造的なライトスポットはまだ存在して いる。例えば、昨年の油圧ショベルの輸出販売台数は 68,400 台で、前年同期比 97%の増加である。今年の年初は、国内販売と比べ輸出は依然として高い成長傾向を維持しており、1 月の油圧ショベル販売データによると、国内の販売台数は前年同期比 48.3%減の 8,282 台に対し、輸出は 前年同期比 105%増の 7,325 台である。

 向文波は、「建設機械企業は、国際化を通して国内市場の周期的な調整の影響をヘッジ すべきである」と述べている。

 向文波は、国際化に加えて、企業が周期性に対抗するための他の2つの手段は、製品の 競争力向上とインテリジェント製造、デジタルトランスフォーメーション(中:数字化転型) の推進であると考えている。前者は市場シェアを拡大し、後者はコストの削減と効率を向上 させて競争力を高めることが出来る。

 実際、向文波は今回の周期の谷を早くから予測していた。

 向文波は、「建設機械業界は、2016年から2021年までの5年間の長きに渡り高度成長 を遂げて来ており、成長の適度な下落か、マイナス成長にさえなることは予想されており、これは業界の特徴である」と述べており、さらに同氏は、「私達は特別大きな圧力を感じているわけではない」と語っている。

 建機業界の多くの人々は証券時報の記者に、業界、企業や市場の成熟により、建設機械業界の周期性は薄らいで、以前のような大きな浮き沈みの動きは再現し難くなって来ており、多くは小さな波の浮き沈みとその緩やかな調整である」と語っている。

■業界は戦略的機会を迎えている

 建設機械業界は、まだ調整周期にあるが、「春情」はすでに表れている。

 央視財経挖掘機指数(CCTV Financial Excavator Index)によると、1 月の全国の建設工事プロジェクトは最終段階に入っている。各種建設機械の作業負荷は前年同期比では減少しているものの、多くの現場での建設機械の稼働率は高いままであり、輸出入貿易は活発 である。

 作業負荷(ワークロード)から見ると、フロントクレーンは 2021年11月から3か月間連続で増加しており、それぞれ 116.46(時間)、119.36(時間)、120.35(時間)である。稼働率から見ると、フロントクレーン、油圧ショベル、トラッククレーン、クローラークレー ン、ミキサートレック、ポンプ車のデータはすべて 50%の超過である。その内、トラック クレーン、フロントクレーン、ポンプ車はトップ3にランクされており、稼働率は、それぞれ 73.99%、58.04%、54.80%である。

 2021 年の各種機械設備の累計作業負荷は、前年同期比 20.21%の増加をしていること は注目に値する、これは我が国のインフラ建設の持続的拡大の強さを示している。

 向文波は、2022年も建設機械業界にとって比較的良い1年になると予測しており 、「昨年(2021)末の中央経済工作会議が、インフラ投資戦略を適度に前倒しする措置を明確に打ち出したことは、建設機械業界に対しては大きなチャンンスとなるであろう」と述べている。

 政策の伝達周期によると、向文波は、建設機械業界は下半期には回復し、通年では「前半は低く、後半は高く」なるであろうと考えている。

 政策の利益(中:政策紅利)に加えて、向文波は、建設機械業界は「ピークには程遠い」 と考えており、少なくとも4つの方面からのチャンスにより、業界スベースの大幅な押上 があると考えている。

 第1は、国際化のスベースは依然として非常に大きいこと。第2は、中国の高齢化は 建設機械の大きな代替需要をもたらすこと。第3は、「ダブルカーボン」(中:双碳)などの技術周期で、従来の化石エネルギーベースとする建設機械は徐々に排除されること。第 4は、今後のインテリジェント化、小人化、さらには無人化である。

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