旭化成メディカル(東京都千代田区)は2月16日、ウイルス除去フィルター「プラノバ™」および「プラノバ™ BioEX」の需要急増に対応して、供給体制を強化するため、宮崎県延岡市に新たに組立工場を建設することを決定したと発表した。
新型コロナウイルス感染症への対応にも後押しされ、抗体医薬品等の市場拡大が進んでいる。製薬会社における新薬の開発および商業生産化へのニーズも急速に高まり、生物学的製剤の生産に必要なウイルス除去フィルターの需要も急増している。旭化成メディカルはこれまでにも「プラノバ™」の中空糸生産において、2019年に宮崎県延岡市で竣工した「プラノバ™」紡糸工場の建設、2021年に決定した大分県大分市の「プラノバ™ BioEX」紡糸工場の増設等、増員増産体制の強化に積極的に取り組んでいる。そして、このほど宮崎県延岡市に「プラノバ™」および「プラノバ™ BioEX」の組立工場を新たに建設することを決定した。
新工場では自動化やデジタル・トランスフォーメーション(DX)を最大限に活用し、品質と生産効率を大幅に向上させるスマートファクトリーを実現する。2022年度第2四半期に起工し、2023年度中の竣工を予定している。
旭化成メディカルは、今後も積極的に研究開発、設備投資を行い、革新的かつ信頼性に優れたバイオプロセス製品、装置および学術コンサルテーションを安定的に提供し、患者さまが安心して使用できる医薬品を、生物学的製剤メーカーが安全かつ効率的に製造することに貢献する。
■ウイルス除去フィルター「プラノバ™」について
旭化成メディカルは、バイオ医薬品や血漿分画製剤といった生物学的製剤の製薬プロセスにおけるウイルス除去フィルター「プラノバ™」や装置の製造・販売、バイオセーフティ試験受託サービスを中心としたバイオプロセス事業を成長エンジンの一つと位置づけている。1989年に、世界で初めて生物学的製剤からウイルスを除去するために開発されたセルロース製中空糸型フィルター「プラノバ™」は、ウイルスろ過業界のリーダーとしての確固たるポジションを有している。2009年にはより高いタンパク質濃度領域においても高効率なろ過性能を持つ親水化ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製中空糸型ウイルス除去フィルター「プラノバ™ BioEX」を上市し、生物学的製剤の安全性の向上に貢献してきた。