DMG 森精機は2月10日、2023 年 6 月完成を目標として、グループ会社である㈱マグネスケールの伊勢原事業所内に計測用の半導体レーザの開発・生産を目的とした工場を新設すると発表した。
マグネスケールでは、ピコメートル・レベルの分解能を持つエンコーダであるレーザスケールおよび工作機械に搭載するマグネスケールをはじめとした計測機器の開発・製造・販売をしている。レーザスケール の主な市場である半導体製造・検査装置では、集積度アップのため、更なる微細化や三次元化への重ね合わせ精度の必要性から、スケールの高精度要求が更に高まり、需要も年々拡大している。脱炭素社会に向けた 発電タービンの高精度化にもレーザスケールが貢献しており、マグネスケールの計測機器に用いる半導体 レーザの必要数量は 2025 年には年間 10 万個と予測している。
そこで、需要が増加する将来に向けて、また高精度化の要求に応えるため、計測用半導体レーザの自社 開発および内製化に踏み切ることを決定した。2024 年の操業を目指し、伊勢原事業所内に半導体レーザの 開発・試作・製造を行うための施設を建設する。
<新設工場の概要>
所在地:神奈川県伊勢原市鈴川 (株式会社マグネスケール 伊勢原事業所内 )
建築面積:450 m²
延床面積:918 m²
操業開始:2023 年 6 月 建物完成、 2024 年 1 月操業開始
総投資額:約 30 億円
<株式会社マグネスケール概要>
会社名:株式会社マグネスケール
設立:2010 年 3 月 31 日
本社:東京都江東区枝川 3 丁目 1 番 4 号(DMG MORI 東京デジタルイノベーションセンタ)
代表者:代表取締役社長 藤森 徹
資本金 :10 億円
主な事業内容 :計測機器の製造、販売
1969 年 8 月に、ソニーマグネスケール株式会社として創業。磁気とレーザ光を検出原理とした高精度位置検出 システムを、工作機械や産業機器などの分野に半世紀にわたり提供し続けている。2010 年より、株式会社マグネスケールとして DMG 森精機株式会社のグループ会社となる。磁気の検出原理を 利用したマグネスケールは結露や油、振動など過酷な環境下での計測に強く、工作機械や産業機械に多く採用 される。レーザ光の検出原理を持つレーザスケールは、最高 2.1 ピコメートルという世界最高レベルの分解能を 達成し、特に極精細化の進む半導体製造・検査装置に多く用いられている。