■部門別の概況
<機械部門 >
売上高は前期比 23.6%増加して 1 兆 8,648 億円となり、売上高全体の 84.9%を占めた。
国内売上高は前期比 6.0%増の 3,105 億円となった。消費増税前の駆け込み需要の反動減からの回復や、経営継続補助金による需要の増加により農業機械や農業関連商品が伸長した。
海外売上高は前期比 27.8%増の 1 兆 5,543 億円となった。北米では、サプライチェーンの混乱による調達の遅れは続いているが、郊外移住などに伴う旺盛な需要を背景にトラクタや建設機械が大幅に増加した。欧州では、前年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う販売低迷からの回復により、建設機械、トラクタ、エンジンが増加した。アジアでは、タイで農業機械が良好な天候 や作物価格の高値安定に支えられた畑作市場の好調により大幅に増加したほか、インドでも農業機 械が好調に推移した。その他の地域では、オーストラリアのトラクタや建設機械が政府の景気刺激策を背景に大きく伸長した。
<水・環境部門>
同部門はパイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラ ル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)により構成さ れている。
売上高は前期比 3.3%減少して 3,054 億円となり、売上高全体の 13.9%を占めた。
国内売上高は前期比 3.0%減の 2,657 億円となった。パイプインフラ関連製品は緊急事態宣言に伴う工期延長の影響などによりダクタイル鉄管や工事事業が減少した。環境関連製品は排 水ポンプ車の増販があったが、プラント建設の減少により全体では減少となった。
海外売上高は前期比 5.2%減の 397 億円となった。素形材やダクタイル鉄管などが減少した。
セグメント利益は国内での減収と原材料価格の高騰により前期比 14.1%減少して 223 億 円となった。
<その他部門>
同部門は各種サービス事業などにより構成されている。
売上高は前期比 6.3%減の 266 億円となり、売上高全体の 1.2%を占めた。セグメント利益は前期比 6.9%増加して 37 億円となった。
■次期の見通し
営業利益は増収効果が見込める一方で、値上効果が原材料費、物流費といったコストアップ要因 を吸収するまでにタイムラグがあるため、本年度に全て取り込めないことなどにより 2,500 億円となる 見込み。税引前利益は 2,530 億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は 1,780 億円を予想 している。
なお、足元で新型コロナウイルス変異株の感染が世界的に拡大している。今後さらに状況が悪化した場合には、業績にも影響が出る可能性があるが、現時点では想定が困難なため業績予想には反映していないとしている。
業績見通しにおける想定為替レートは、1米ドル=114 円、1ユーロ=128 円としている。