売上の増加に加え、欧州事業再生手続きの効果による固定費の圧縮に伴う売上原価率の改善と販売費及び一般管理 費の圧縮等により、営業利益は23億2百万円(前年同期18億3千4百万円の損失)、経常利益は22億2百万円(前年同期23億3千5百万円の損失)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、欧州事業再生関連収益等を計上した結果、112億9千8百万円(前年同期76億6千8百万円の損失)となった。
タダノの関連業界は、日本では、大型公共工事を中心に比較的順調な稼働を背景として、需要も増加傾向にあるものの、 全体として本格的な需要回復には至らなかった。海外においても、ワクチン接種の広がりや経済対策が追い風となり、需要は増加基調だが、地域的なばらつきもあり、全体として本格的な需要回復には至っていない。
■セグメント別状況
(セグメント別とは、タダノ及び連結対象子会社の所在地別売上高・ 営業利益で仕向地別売上高とは異なる)
1)日本:(4月~12月)
需要の増加に加え、収益認識に関する会計基準を適用した結果、建設用クレーン・車両搭載型クレーンが増加したものの、高所作業車は減少し、売上高は927億5千4百万円(前年同期比107.8%)、営業利益は90億5百万 円(同142.8%)となった。
2)欧州(1月~9月)
建設用クレーンの需要は、足許では増加基調にあるものの、前年同期並みまでは回復に至りませんでした。また、部品調達の遅滞に伴う生産の遅れ等の影響もあり、売上高は436億4千4百万円(前年同期比87.8%)となったが、営業利益は固定費の圧縮により67億4千3百万円の損失(前年同期は77億8千2百万円の営業損失) となった。
3)米州(1月~9月)
建設用クレーンの需要は、足許では増加基調が鮮明となり、ほぼ前年同期並みまで回復する中、売上高は296億9千4百万円(前年同期比100.5%)、営業利益は6億6千6百万円(同251.4%)となった。
4)その他(1月~9月)
建設用クレーンの需要が拡大した豪州に加え、アジアにおいても売上が増加し、売上高は161億5千8百万円(前年同期比155.1%)、営業利益は8億5百万円(同309.7%)となった。
■主要品目別状況
1)建設用クレーン
日本向け売上は、需要の増加に加え、収益認識に関する会計基準を適用した結果、257億5千6百万円(前年同期比106.6%)となった。海外向け売上は、中南米・中東を除く全ての地域で増加し、576億5千5百万円(前年同期比107.2%)となった。この結果、建設用クレーンの売上高は834億1千2百万円(同107.0%)となった。
2)車両搭載型クレーン
日本向け売上は、需要が増加し、131億9千万円(前年同期比102.6%)となった。 海外向け売上は、9億8百万円(前年同期比73.6%)となった。この結果、車両搭載型クレーンの売上高は140億9千8百万円(同100.1%)となった。
3)高所作業車
高所作業車の売上高は、高付加価値商品の拡販に注力したものの、需要の減少により、113億3千8百万円(前年同期比92.9%)となった。
4)その他
部品、修理、中古車等のその他の売上高は、304億7千1百万円(前年同期比107.5%)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
第3四半期連結累計期間の業績を踏まえ、通期業績の見直しを行ったところ、売上高は前回予想を下回り、経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、前回予想を上回る見込みとなったことから、2021年4月28日発表の 2022年3月期通期連結業績予想を下記の通り変更した。
売上高2,050億円(前期比10.2%増、前回予想2,150億円)、営業利益42億円(前回予想42億円)、経常利益42億円(前回予想34億円)、親会社株主に帰属する当期純利益110億円(前回予想105億円)。
第4四半期の受注状況は順調なものの、部品調達の遅滞により欧州での生産遅れが発生し、加えて、 日本国内では車両搭載型クレーン・高所作業車の出荷遅れも想定されている。 その結果、通期売上高は前回予想を下回る見通しとなったが、機種構成の変化や円安効果、経費の効率的な 運用により、営業利益は前回予想通り推移するものと見込んでいる。
株式会社タダノ(6395) 2022年3月期 第3四半期決算短信