日立建機は1月14日、親会社である㈱日立製作所(以下、日立)と、日本産業パートナーズが管理・運営・情報提供等を行うファンドがその持分の全てを保有する特別目的会社および伊藤忠商事がその持分の全てを保有する特別目的会社が共同で出資する予定のHCJIホールディングス合同会社(以下、JIPコンソーシアムSPC)との間で、日立が保有する日立建機普通株式55,290,000株(議決権所有割合26.0%(2021年9月30日現在の総株主の議決権の数2,125,317個を基準に算出))をJIPコンソーシアムSPCへ譲渡すること(以下、本株式譲渡)が合意されたと発表した。
株式譲渡により日立建機の親会社、その他の関係会社及び主要株主である筆頭株主の異動が見込まれる。これに関連して、日立建機は、JIPコンソーシアムSPCとの間で、本株式譲渡を前提として、資本提携を行うこととし、資本提携契約を締結することを、2022年1月14日に取締役会で決議したと、あわせて発表した。
日立建機グループでは、これまでも、身近で頼りになるパートナーとして、顧客の課題を解決するソリューション「Reliable solutions」を提供してきた。「豊かな大地、豊かな街を未来へ…」をグループのミッションとして、全世界の発展のために貢献し、サステナブルな社会へ向けた課題解決に取り組み、順調に成長してきた。
2021年8月には、米・ディア&カンパニー社(Deere&Company、本社:アメリカ合衆国・イリノイ州モリーン、以下、ディア社)との間で、北中南米の合弁事業に関する業務提携を解消することで合意した。
ディア社との業務提携解消の発表後、米州全域の商社やマイニング向けの大型の代理店から、コンストラクションを中心とする中小の代理店まで、問い合わせが相次ぎ、現在、新たな契約を通じて、順調に販売・サービスのネットワークが整備されつつある。
まず10月には北米で日立ブランドのホイールローダの製造・販売を担当する連結子会社「日立建機ローダーズアメリカ」(本社:アメリカ合衆国ジョージア州ニューナン)の商号を「日立建機アメリカ」に変更し、米州全域の地域統括会社とした。同社は、従来のホイールローダに加えて、コンパクト・コンストラクションの油圧ショベル、マイニング向け超大型油圧ショベル、ダンプトラックまでの全てを扱う地域統括会社として、営業やサービス部門を中心に体制を強化中。
現時点では、現地では米州全域で中・広域の販売代理店16社と新規取引開始でおおむね合意しており、米州市場の大部分の地域をカバーする販売体制が整う見込み。既存のホイールローダの代理店でも、コンパクト・コンストラクションの油圧ショベルのラインアップの拡充を図って、3月から始まる日立ブランド製品の拡充のための準備が進められている。マイニング事業では、米州域内のマイニング関連のグループ会社と連携することで、北米をはじめ中南米市場でも活発な商談が期待できる。
これらの動きを統括すべく、マイニング事業本部長で執行役専務の石井壮之介氏が、10月より米州事業部長と日立建機アメリカの取締役会長を兼務し、日立建機内には米州事業再構築準備室を設置し、日立建機グループを挙げて北中南米事業の支援体制を強化中。11月には、日本から北米に向けて、コンストラクションの油圧ショベルで、日立ブランド第1号機が船積み出荷された。
このような大きなチャレンジの中で、日立建機としては、今般、日本産業パートナーズと伊藤忠商事の資本参加を受け入れることとなったもの。
まず、日本産業パートナーズは、企業風土を尊重しつつ、既存事業・産業を変革する意志をもった企業家・経営陣と協力し、時代の要請に合致した新たな事業・産業を構築することにより、本来その事業・産業が有していた潜在的な力を十分に引き出す支援を事業目的としてうたっている。
今回の合意以降、中長期の保有を通じ、経験・ノウハウ、幅広い専門家ネットワークを活用し、日立建機が行う事業戦略策定、および、事業戦略遂行に必要な経営基盤の強化をサポートし、財務基盤の効率化に貢献することに加え、豊富なファイナンスの経験から、ファイナンスでの連携の実績のある伊藤忠商事グループと共に、日立建機のレンタル資産の管理運用等に関する最適なアドバイス等を今後提供して頂けるものと考えている。
伊藤忠商事は、建機分野において、従前より輸出トレード・ファイナンス案件や合弁会社の設立による事業展開等を通じて日立建機と様々な取引関係を有しており、特にインドネシアでは製造・販売・金融の分野において30年来の共同事業を展開している。伊藤忠商事は日米間の陸海送物流や米国内における倉庫や物流・資材センター等の物流ネットワークと、小型建機の製造・販売会社、建機のオンライン・レンタル会社を通じて全米の建機レンタル会社の顧客ネットワークを有しており、また、伊藤忠とグループ会社は、それぞれ米国でファイナンスサービスを提供する事業会社を保有しており、北米において、販売代理店向けと、リテール向けの双方で、幅広くファイナンスでの協業の検討を進めていく。
このように、今回の新たなパートナーとの資本関係によって、世界最大の北米市場における事業展開をより確かなものとしていくと共に、日立建機としては南米市場をはじめとする世界各地の既存のパートナーとの連携も継続し、グローバルでの成長戦略を加速していく。
今回の合意により、日立建機は、今後日立の連結子会社から持分法適用会社となるが、日立建機の部品・サービス事業は日立グループが重点的に取り組むLumada事業の一環として広く認知されてきた通り、事業連結から離れても大きく伸ばしていく方針は変わりない。。
これまで同様に、日立建機グループは日立ブランドを掲げ、IoTをはじめとする様々な研究開発分野でも、日立およびグループとの連携を続け、日立ブランドの価値向上に貢献していく一方で、マイニング事業を中心に日立グループとの部品取引を続けていく。
また、日立建機は、ABB Ltd(本社:スイス連邦チューリッヒ、以下、ABB社)と共同開発中のエンジンレスのフル電動ダンプトラックの提供によって、日立グループとしてグローバルにマイニング市場のネット・ゼロ・エミッション化に貢献していく。このように、IoTをはじめとする様々な研究開発分野でも、日立およびグループとの連携を続け、日立ブランドの価値向上に貢献していく。
日立建機は、日立、日本産業パートナーズ、伊藤忠商事との新たな連携の下で、今後も北中南米をはじめ、新車の販売からレンタル・中古車・部品サービスにまで、世界中の顧客の課題解決に貢献するユニークなマルチ・チャネルによるソリューション事業に取り組み、安定的に確実な成長を続けていく。
■日立建機について
日立建機は、油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械、鉱山機械などの開発・製造・販売・サービスの事業をグローバルで展開している建設機械メーカーです。新車販売以外の事業である部品・サービス、レンタル、中古車、部品再生などの「バリューチェーン事業」の強化に注力し、デジタル技術を活用することで、顧客とのあらゆる接点において提供するソリューションを深化させている。世界に約25,000人の従業員を擁し、2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8,130億円、海外売上収益比率は約75%。
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