・アルミ板材の供給能力向上に向けた設備投資
㈱UACJは12月10日、連結子会社で、米国のアルミニウム板圧延製造販売会社であるTri-Arrows Aluminum Inc.(本社:ケンタッキー州ルイビル)が、Novelis North America(本社:ジョージア州アトランタ)と、共同経営するローガン工場のアルミ板材生産能力向上に向けた設備増強の検討を開始することで合意したと発表した。
米国では、脱プラスチック化やエシカル消費の高まりを背景に、クラフトビールや栄養ドリンクのほか、近年売上を伸ばしている炭酸系アルコール飲料(ハードセルツァー)へのアルミ缶の採用が増加している。また、米国製缶各社も、設備増強計画を発表しており、今後数年間で数百億缶の生産拡大が見込まれている。そのため、アルミ飲料缶用板材需要も底堅い伸長が予想されている。
UACJは、現在遂行中の第3次中期経営計画で、米国でのアルミ板材圧延事業を重点事業と位置付けており、こうした主要需要分野での変化に対応すべく、ローガン工場の設備増強に関して検討を開始することにした。今後は、検討を通して成長の機会を的確に掴んでいく。また、顧客のニーズに応えるとともに、アルミ飲料缶用板材の供給を通じて環境負荷を低減し、「アルミでかなえる軽やかな世界」の実現に向けて貢献していく。
■UACJについて
㈱UACJ(ユーエーシージェー)は、グローバルに事業を展開する日本発の総合アルミニウムメーカー。グループ企業理念では、「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する」を掲げている。
UACJは、2013年に古河スカイと住友軽金属工業が経営統合し、発足した。グループ内に板、自動車部品、押出、箔、鋳鍛、金属加工の6つの事業を持ち、飲料缶、自動車、IT機器、空調、航空宇宙産業などの幅広い産業分野にアルミニウム素材を供給している。
アルミニウム板事業では、北米・タイ・日本の3極グローバル体制を構築しており、自動車部品事業では、北米・中国・日本で合金開発から設計までの一環生産体制を活かしたビジネス展開を行っている。2021年3月期の売上高は5,698億円、従業員は全世界で約9,700人。