・高性能 Cu(銅)ボンディングワイヤの生産能力を増強
田中貴金属工業( 本社:東京都千代田区)は12月8日、子会社で、各種ボンディングワイヤの製造を行う田中電子工業(本社:佐賀県神埼郡)が、台湾の高雄市に高性能 Cu (銅)ボンディングワイヤ (以下、PCC(Palladium Coated Copper)ワイヤ)を製造する工場を新設すると発表した。工場稼働は 2022 年上期を予定 している。
田中電子工業では新設の工場を含め、2025 年までに PCC ワイヤの生産能力を現在の約 1.5 倍に 増強して世界的な半導体需要増加に対応する。
田中電子工業では台湾桃園市の生産子会社にて、2011 年より PCC ワイヤの製造を行っており、また同社は高雄市に技術的なサポートを行う拠点を有していた。今後の需要増に対して安定した供給体制を整えるため、高雄市に 3 拠点目の新工場を設立する。
ボンディングワイヤとは、一般に半導体素子とリード電極を接続する高純度の金属ワイヤであり、 コンピュータ、携帯電話などの電子製品のみならず、近年では家電や自動車にも多くの半導体が用い られている。ボンディングワイヤの素材は金が主流だったが、身の回りに多くの半導体を用いた電子機器が増えることに伴い、金に近い性能を持ち、かつコストの安い PCC ワイヤへの需要が特に高 まってきている。そして COVID-19 の影響により、全世界的に半導体の需要と供給のバランスが崩 れ半導体不足が深刻化している昨今、半導体産業を支える重要な周辺材料として、高品質なボンディングワイヤを安定して供給する体制を整える事が急務となっていた。
様々な緊急事態においてもグローバルに供給可能なボンディングワイヤのリーディングカンパニ ーとして、田中電子工業は引き続き半導体産業への貢献をしていく。
【田中電子工業のボンディングワイヤについて】
田中電子工業は、創業以来 50 年以上にわたり各種ボンディングワイヤを製造し、世界トップクラ スのシェアを誇る。また、1978 年にシンガポールに初の海外生産拠点を設立して以来、マレーシ ア、中国、台湾に生産拠点を展開し、半導体製造をしている世界中の国へ供給を行っている。
【新設工場概要】
工場名:台湾田中電子股份有限公司( 南科分公司 )
延べ床面積 :約4,000平方メートル
事業内容:各種ボンディングワイヤの製造
稼働予定:2022年上期
【田中電子工業株式会社】
本社所在地:佐賀県神埼郡吉野ヶ里町吉田 2303-15
設立:1961 年
代表者:代表取締役社長執行役員 井関 茂
資本金:18億8,000万円
従業員数:819名 (海外子会社含む、2021年3月31日)
売上高: 282億5,971万6,000円 (2020年度)
■田中貴金属グループについて
田中貴金属グループは1885年( 明治18年)の創業以来、貴金属を中心とした事業領域で幅広い活 動を展開してきた。国内ではトップクラスの貴金属取扱量を誇り、長年に渡って、産業用貴金 属製品の製造・販売ならびに、宝飾品や資産としての貴金属商品を提供している。貴金属に携わ る専門家集団として、国内外のグループ各社が製造、販売そして技術開発において連携・協力し、 製品とサービスを提供している。2020(年度(2021年3月期)の連結売上高は 1 兆 4,256 億円、5,193 人の従業員を擁している。