・兵庫県淡路島の防災に貢献
日立造船は11月26日、2019 年に兵庫県より受注した福良港煙島水門設置工事(機械工)向けの海底設置型フラップゲート式水門の工場製作を完了したと発表した。
同設備は、2021 年 12 月中旬に堺工場を出渠して同月内に現地工事を開始し、2022 年 3 月 25 日に施工を完了する予定。
兵庫県は、近い将来に発生が予想される南海トラフ地震に備え、津波防災インフラ整備計画を各地で進めている。南あわじ市は漁業と観光が盛んな地域であり、特に福良港は後背域に数多くの住宅があり、また、同港が鳴門のうずしおを見学するための「うずしおクルーズ」の出発地 で、500 年の伝統を誇るあわじ人形浄瑠璃を鑑賞できる「淡路人形座」などがある風光明媚な観 光地でもあり、ひとたび津波が発生すると甚大な浸水被害が想定されるため、重点整備地区とし て対策が進められている。
同港地域は南海トラフ地震発生時の津波水位が高いことが予想され、レベル 1 津波に対しては 避難を前提とした浸水被害の軽減、レベル2津波に対しては水位をレベル1津波水位並みに低減 し、浸水被害を軽減することを目的に水門や陸閘、防潮堤の整備が進められている。
工事は、福良港内にある煙島と洲崎防波堤の開口部を津波発生時に閉鎖するための水門設置工事であり、水門形式としては海底設置型フラップゲート式水門が採用された。兵庫県は、 福良港での整備を進めるにあたり、水門閉鎖操作の自動化により、短時間での確実な閉鎖や操作 員の安全を確保することも対策としているが、海底設置型フラップゲート式水門の採用に当た っては、同設備の特長が高く評価された。
<設備の概要>
発注者:兵庫県
工事名:福良港 煙島水門設置工事(機械工)
扉体寸法:純径間 25m、有効高:11m
施工場所:兵庫県南あわじ市福良
工期:2020年4月1日~2022年3月25日
受注金額:23 億円(税抜き)
詳細は、ニュースリリース