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古河機械金属、21年4~9月の機械事業売上は17.2%増の386.5億円

 古河機械金属が11月11日に発表した2022年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高は、978億4百万円(前年同期比226億5百万円増)、営業利益は、34億83百万円(同20億1百万円増)となった。産業機械部門およびユニック部門は、増収減益となったが、前年同期に営業損失を計上したロックドリル部門は、増収で利益計上となったため、機械事業全体では、増収増益となった。

 素材事業では、前年同期に営業損失を計上した金属部門および電子部門は、増収で利益計上となり、化成品部門は、増収増益となった。また、不動産事業の売上高および営業利益は、前年同期並みとなった。経常利益は、40億89百万円(同19億20百万円増)となった。特別損失に投資有価証券評価損1億76百万円、古河大阪ビルの解体工事費用について、工事の進捗に対応した費用4億66百万円ほかを計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、23億11百万円(同25億58百万円減)となった。なお、前年同期には、特別利益に投資有価証券売却益40億71百万円を計上している。

 4~9月期における国内経済は、海外経済の回復を背景とした輸出の増加が、製造業を中心に企業収益や設備投資の改善に寄与したものの、半導体や主要部品の不足、原材料価格やエネルギーコストの上昇、コンテナ輸送能力の不足による運賃高騰など、世界的なサプライチェーンの混乱の影響が、企業の生産活動に及ぼす影響が懸念されている。一方、新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大を受けて発出されていた緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置は、9月末に全都道府県で解除され、依然として、新型コロナウイルスの感染動向に注意を要するものの、国民の約7割が、新型コロナワクチンの2回の接種を完了するなど、断続的な行動制限により一進一退となっていた消費活動の第3四半期以降の回復が期待されている。

■機械事業セグメントの状況

 産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、386億50百万円(前年同期比56億67百万円増)、営業利益は、20億93百万円(同4億56百万円増)となった。

 古河機械金属2022年3月期第2四半期データ

<産業機械>

 産業機械部門の売上高は、86億32百万円(前年同期比9億89百万円増)、営業利益は、3億37百万円(同1億81百万円減)となった。当第2四半期連結会計期間末の受注残高は、プロジェクト案件で中央自動車道新小仏トンネル工事向け密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)などの受注があったが、マテリアル機械やプロジェクト案件の受注残高が減少したため、前年度末に比べ減少した。大型プロジェクト案件は、小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備や中央新幹線第一首都圏トンネル新設(北品川工区)工事向け密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)等について、出来高に対応した売上高を計上し、増収となった。また、マテリアル機械は、増収となったが、部品等の減収により、減益となった。

<ロックドリル>

 ロックドリル部門の売上高は、154億12百万円(前年同期比37億53百万円増)、営業利益は、4億4百万円(前年同期は△5億12百万円)となった。国内外で新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた前年同期に比べ、国内外ともに増収となった。特に、海外の増収が大きく、主として、北米において、新型コロナワクチン接種の浸透や政府の追加経済対策による公共工事の発注、住宅着工の増加などを背景に、企業の設備投資意欲が改善し、油圧ブレーカ、油圧クローラドリルの出荷が大幅に増加した。

<ユニック>

 ユニック部門の売上高は、146億6百万円(前年同期比9億25百万円増)、営業利益は、13億51百万円(同2億78百万円減)となった。国内では、ユニッククレーンの出荷は、主として、昨年度設備投資を抑えていた広域レンタル会社や業販向けが、投資意欲の回復により増加し、増収となったが、原価率は悪化し、減益となった。海外では、中国において、ユニッククレーンの出荷が増加し、増収となったが、北米においては、建設資材不足により多くの建築現場が閉鎖され、市場の回復が遅れているため、ミニ・クローラクレーンの出荷が減少し、減収となったことやコンテナ輸送能力の不足による運賃高騰もあり、減益となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 2022年3月期の業績予想については、前回(2021年5月13日)発表の業績予想との比較において、売上高は、機械事業では、ロックドリル部門およびユニック部門で増収となり、素材事業では、全部門で増収となる見込み。ロックドリル部門では、主として、企業の設備投資意欲が改善している北米を中心に海外需要が底堅く、ユニック部門では、世界的な半導体不足の影響を受けたトラックメーカーの減産によるトラック不足を主因として、クレーン架装の遅れを想定しているが、主として、広域レンタル会社や業販向け需要が旺盛で、増収となる見込みである。金属部門では、第3四半期以降の銅価格を9,000米ドル/トン、為替を112円/ドルに変更したことにより増収となる見込みである。電子部門では、主として、熱対策部品向けや半導体装置用部品向けなどの需要が旺盛な窒化アルミニウムのほか、結晶製品、高純度金属ヒ素などの需要も安定的で、また、化成品部門では、亜酸化銅および酸化銅は、主として、銅価格の上昇などにより、増収となる見込み。

 営業利益については、ロックドリル部門、金属部門、電子部門および化成品部門は、増収により増益となる見込みであるが、産業機械部門については、マテリアル機械や大型プロジェクト案件の受注が想定を下回ることやマテリアル機械で部品・オーバーホールなどの減収を主因として、減益となる見込み。ユニック部門については、鋼材価格の上昇やコンテナ輸送能力の不足による運賃高騰など、サプライチェーン混乱の影響を主因として、減益となる見込み。以上の結果、連結全体の売上高および営業利益を上方修正している。また、これに加え、持分法による投資利益の増益を見込み、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についても、それぞれ上方修正している。

 2022年3月期連結業績予想は、売上高1,969億円(前期比23.3%増)、営業利益75億円(同34.1%増)、経常利益77億円(同13.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益50億円(同33.1%減。

 古河機械金属㈱(5715)2022年3月期第2四半期決算短信

 

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