4~9月期における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により厳しい状況で推移したが、輸出は海外経済の改善もあり、コロナショックを受けた前年の大幅な需要減から持ち直しの動きが続いている。海外については、中国市場で不動産投資への規制強化を受け、景気が減速しているものの、北米・欧州・東南アジアでは需要回復の動きが見られた。
■セグメント別の状況
①日本
国内向け建設用クレーンは、前年度のコロナショックによる需要減から回復途上にあるが、本格的な需要回復には至らず、売上高は140億7千4百万円(前年同期比99.2%)と横ばいで推移した。海外向け建設用クレーンは、アジア・大洋州で増加し、売上高は27億8千1百万円(前年同期比160.4%)で推移した。
国内向け油圧ショベル等は、公共工事・民間工事の回復から需要は堅調に推移し、売上高は62億4千1百万円(前年同期比124.2%)となった。海外向け油圧ショベル等は、北米向けが増加し、売上高は30億2千4百万円(前年同期比131.1%)となった。
日本の売上高は265億9千7百万円(前年同期比112.4%)となり、セグメント損失は8億7千3百万円(前年同期はセグメント損失14億5千8百万円)となった。
②中国
中国は、インフラ投資の鈍化を背景としてマイナス成長が続き、先行き不透明な状況が続いている。中国の売上高は32億3千3百万円(前年同期比103.1%)となり、セグメント損失は4億5千万円(前年同期はセグメント利益3億6千7百万円)となった。
③その他
欧州は、EUコロナ復興基金実施によりインフラ関連の設備投資が活発化し、売上が増加し、その他地域においても、クレーン・ショベルともに販売台数が増加した。その他の売上高は25億6千1百万円(前年同期比224.4%)となり、セグメント損失は3千4百万円(前年同期はセグメント損失3億7千7百万円)となった。
■主要品目別売上高の状況
①建設用クレーン
②油圧ショベル等
国内は、需要が堅調に推移し、売上高は62億4千1百万円(前年同期比124.2%)となった。海外は、北米・欧州の売上が増加し、売上高は69億5千5百万円(前年同期比131.9%)となった。よって、油圧ショベル等の売上高は131億9千6百万円(前年同期比128.1%)となった。
③その他
その他の売上高は4億7千5百万円(前年同期比117.2%)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2021年8月6日に公表した通期の連結業績予想(下記)を変更していない。新型コロナウイルス感染症の影響により、国内景気は回復の兆しが見られるもの、先行きは不透明な状況が続いている。海外においても、地域性があるものの、未だ本格的な景気回復には至っていない。このような事業環境に対応するため、同社は早期に業績改善を行い、将来に向けた再成長を実現していくために、2021年4月に「KATO Reborn Project」を立ち上げている。
2022年3月期連結業績予想は、売上高は前期比12.3%増の657億円、営業利益△26億円、経常利益△29億円、親会社株主に帰属する当期純利益△31億円。
株式会社加藤製作所(6390) 2022年3月期第2四半期決算短信