・鹿島建設が進める山岳トンネル工事を対象とした自動化施工システムに協力
コマツは、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場を実現するため、「モノ(建設機械の自動化・高度化)」と「コト(施工オペレーションの最適化)」の両方で施工のデジタルトランスフォーメーションを目指している。その一方で、自社で自動化施工システムの開発に取り組む顧客に向けては、「モノ」である自動化対応車両を開発・提供していく。
今回、コマツは、鹿島建設が進める山岳トンネル工事を対象に開発を進めている自動化施工システム「A4CSELⓇ for Tunnel」の一要素であるずり出し作業(※1)の自動化に供する車両の開発に協力した。コマツはホイールローダー「WA470トンネル仕様車」に自動化対応が可能なインターフェースの製作を行う役割を担い、鹿島が開発した自動ズリ出し作業のための計測・制御プログラムを実行できる車両を提供した。
当該機は、ベースマシンであるホイールローダー「WA470-8」の従来の性能を維持しつつ、鹿島が開発した自動化施工システムの指令に基いた稼働を可能にする機能やインターフェースを開発したもの。キャブ(運転席)内に追加搭載した自動/手動切替スイッチにより、オペレーターによる通常運転から自動運転へ切り替え、自動化システムからの指令・制御により、前後走行や停止といった基本的な稼働のほか、トンネル仕様車特有のサイドダンプバケット作業を可能とする。また、キャブ上部にはモードランプを追加搭載し、自動化対応車両の有人・自動・異常の状態が外から一目で判別できる。
コマツと鹿島は、土木・建設業界における「熟練技能者不足」や「作業現場の安全性確保」「生産性向上」などの課題解決に向けて、2013年に共同研究開発契約を締結している。今後も両社の知見・技術力を活かし、土木・建設業界における早期の課題解決および生産性向上に向け、共同で自動化施工システムの開発・普及を加速していく。
コマツは、顧客とともに安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場の実現を目指していく。
※1:トンネル工事において発破後に切羽(坑道の先端)に発生した岩砕をホイールローダーですくい取り、そこから後方に配置した破砕設備等に積み込む作業。