㈱神戸製鋼所は10月7日、エンジニアリング・建設会社であるClough社(以下、クラフ社)から、西オーストラリア州ドンガラで計画中のガス田開発プロジェクト(Waitsia Gas Project Stage2「ウェイトシアガス田 ステージ2」)で建設されるガス処理プラント向けに、マイクロチャネル熱交換器(製品名:DCHE、Diffusion Bonded Compact Heat Exchanger)を2基受注したと発表した。
プロジェクトは、Mitsui E&P Australia Pty Ltd.(三井物産100%子会社)が出資し、2016年から生産開始しているステージ1に続き、ステージ2として2023年後半の生産開始を予定している。生産した天然ガスは、LNGとしてオーストラリアとアジア市場へ販売される。プロジェクトの設計・調達・建設を担うクラフ社が、ガス処理プラント(日量250TJ)を建設し、その熱交換用途として神戸製鋼のDCHEが使用されます。なお、DCHEは2022年に現地納入予定。
神戸製鋼のDCHEは、50年以上にわたる熱交換器の設計・製造に関する知見を活かし、2012年に製品化した。特長は、ステンレスのプレートに幅1~2mmの微細な流路を加工・積層し、拡散接合(※1)比較し、広い伝熱面積(約1,000m2/m3)、コンパクト性(約1/10サイズ)と超高圧への耐性(100MPa)を有している点。その特長から水素ステーション向けの熱交換器として、世界で高いシェアを有しているが、今回、ガス処理プラント用途として、神戸製鋼としては最大クラスのDCHEを受注した。
KOBELCOグループでは、2021年5月に公表した「中期経営計画(2021~2023年度)」の中で、最優先課題の一つとして「カーボンニュートラルへの挑戦」を掲げている。天然ガスは燃焼時のCO2発生量が少ない環境特性に優れたクリーンエネルギーであり、神戸製鋼は今後も、カーボンニュートラルに寄与する技術・製品・サービスを通して、CO2排出削減に貢献していく。
※1 拡散接合:溶接など接合方法の一種。材料同士を密着させ、高温で加熱しながら加圧する事で、原子レベルで結びつける接合方法。一般的な溶接とは違い母材を溶かす事なく接合するため、微細な流路や複雑な三次元構造体の接合に適する。