㈱不二越が10月4日に発表した2021年11月期第3四半期累計(2020年12月~2021年8月)連結業績によると、売上高は、自動車や建設機械分野に加え、産業機械・市販分野での需要回復を受け、1,702億42百万円(前年同期比14.4%増)、このうち、国内売上高は870億82百万円(同11.2%増)、海外売上高は831億59百万円(同18.0%増)となった。
利益面については、売上・生産の増加による操業度の改善に加え、昨年来実施してきた合理化や内製化による生産性の向上、業務の効率化による販売費・一般管理費の節減など、トータルコストダウンの効果を取り込み、営業利益は106億19百万円(同2.5倍)、経常利益は102億23百万円(同3.4倍)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は71億26百万円(同6.6倍)となった。
第3四半期連結累計期間における経営環境は、経済活動の正常化が進み、中国経済の拡大や日本・欧米などの先進国経済の持ち直しなど、総じて緩やかな回復基調にある。一方で、東南アジアをはじめとする新型コロナウイルス感染症の再拡大や世界的な半導体不足による自動車メーカーの減産など、依然として先行き不透明な状況が継続している。このような状況のもと、不二越グループは、ロボット事業を核に、工具、工作機械、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、ユーザーのものづくりに寄与する新商品の開発や技術提案などにより、受注・売上の拡大にとり組んできた。また、収益の改善に向けて、需要の変動に柔軟に対応する生産体制の再構築、合理化などを進めてきた。
不二越2021年11月期第3四半期データ
■セグメント業績
機械工具事業では、回復基調にある工具需要と、中国を中心としたロボット需要の拡大により、売上高は535億46百万円(前年同期比4.7%増)となり、合理化や経費削減により営業利益は31億19百万円(同64.9%増)となった。
部品事業では、自動車・建設機械分野に加え、産業機械・市販分野の需要が回復し、売上高は1,073億58百万円(前年同期比22.7%増)となり、操業度の改善と合理化・内製化による生産性の向上などのコストダウン効果で営業利益は73億64百万円(同4.5倍)となった。
その他の事業では、特殊鋼需要は持ち直しつつあるが、低水準で推移した結果、売上高は93億37百万円(前年同期比7.7%減)となり、営業利益は26百万円(同95.4%減)となった。
■今後の見通し
2021年11月期の通期の連結業績予想については、下記のとおり2021年7月14日発表の予想数値から変更はない。
売上高2,250億円(前期比11.9%増)、営業利益135億円(同97.1%増)、経常利益132億円(同139.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益90億円(同266.1%増)。
不二越の2021年11月期第3四半期決算短信
第3四半期決算短信補足資料