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三井E&Sマシナリー、国土技術政策総合研究所より防災実験用多方向造波装置を受注

 ㈱三井E&Sマシナリー(本社:東京都中央区)は9月21日、国土交通省国土技術政策総合研究所(所在地 茨城県つくば市)より水理実験設備である多方向造波装置を受注したと発表した。

 近年、気候変動に伴う自然災害の激甚化が懸念されているが、今回受注した多方向造波装置は、その中でも特に台風などによる高波による被害を低減するため、海岸堤防や消波ブロックなどの越波対策を検討する実験での使用を目的としたもの。複数枚の造波板を個別に制御することにより高さや周期、方向が異なる波が混じりあった現実に近い波を再現するとともに、広範囲な方向から来襲する波浪を再現するため、水槽の二辺にL字型に造波板を配置した仕様となっている。

 同社の水理実験設備は、船舶や土木・海岸などの構造物への波浪などの影響を検証するためのもので、1970年代から国の研究機関をはじめ、大学、電力会社、建設会社、水族館など国内外の200ヶ所以上に納入実績がある。主力製品である造波装置は、実験水路内で単一方向の波を起こす「二次元造波装置」や、複雑で重なり合った自然の波を再現できる「多方向造波装置」などで、潮流・津波・潮汐など各種の海洋現象を再現する。

 同社は制御・ソフトウェア技術革新により、複雑・激甚化する自然災害のメカニズムを解明し、防災・減災に向けたトータルソリューションサービスを提供することで、サステナブルな未来に貢献していく。

 また、現在稼働している設備のリニューアル、機能向上、ネットワークを用いた実験運用の自動化・遠隔監視等のサービス提供や、これまで培った波によって水面に複雑な模様を描く造波技術などのエンターテインメント分野へも進出を図る。

 ニュースリリース

 

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