世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、海外依存度が高い製品や海外から輸入している製品については、輸出国におけるロックダウン等による供給の停滞が発生し、必要な医療機関等に迅速かつ円滑に提供できなくなる等のサプライチェーンの脆弱性が顕在化した。東日本大震災以降、同社でもサプライチェーンの重要性を認識し、製造拠点及び原料・資材供給の複線化を進めており、同社のみが供給している製品や国内占有比率が非常に高い製品もあることから、その重要性を強く認識している。このような状況下で、新棟を建設稼働する事により、注射剤の生産拠点の国内回帰、分散化、複数ラインの構築、増産体制を整えることで、安定供給に寄与するものと考えている。
最先端の生産設備と製造技術を投入し、抗がん剤を初めとした高い製造技術が求められる製品を高品質で安定的に供給し、世界的に高まる医薬品の品質レベルを満足させる製造拠点として、国内はもとより国際的にも注目される工場になると期待している。国外製造を国内に呼び寄せ、高品質の医薬品を国外へ供給することによって、国際競争力、サプライチェーンの維持・発展に大きく貢献していく。
また、高効率・省エネルギーの機器を多用し、ソーラーシステムの設置を予定するなど、環境にもやさしい設備とする。これにより、今後も十分に競争力を有する、機動性とイノベーションを追求した最先端の製造施設となる。
<新棟建設計画の概要>
名称:北埼玉工場2号棟
所在地:埼玉県加須市騎西藤の台工業団地 北埼玉工場敷地内
敷地面積:約 14,856 ㎡
延床面積:約 7,428 ㎡
構造規模:鉄骨造 4階建て
生産品目:高活性 OEL0.1~1μg/m3に対応した液剤/凍乾製剤
竣工:2022年10月予定
稼働開始:2024年 2月予定