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酒井重工、21年4~6月売上は33.4%増の60.8億円、通期予想は変更せず

 酒井重工業が8月11日に発表した2022年3月期第1四半期(2021年4~6月)連結業績によると、売上高は、世界経済同時減速からの揺り戻しにより、前年同期比33.4%増の60億8千万円となった。営業利益は販売先構成変化により原価率上昇があったものの売上高の回復により、前年同期比5.5倍の2億円、経常利益は前第1四半期連結累計期間の△5千万円から黒字転換して2億1千万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同△1億2千万円から黒字転換して1億5千万円となった。

 4~6月期における事業環境は、新型コロナウイルス感染症と地球温暖化を契機とした世界社会の大変容が進む中、デジタル技術の社会浸透とデジタルトランスフォーメーション(DX)の本格化、世界的な脱炭素政策の加速とグリーン成長時代の幕開け、米中冷戦構造を軸とした地政学情勢の更なる激化や、サプライチェーンの混乱と部材価格の高騰など、激変する世界情勢の中でウィズコロナ時代の経済再生が始まった。

 このような情勢の下で酒井重工業グループでは、DXによるビジネスモデルの革新、本業を通じたSDGsや脱炭素など社会的課題解決への取り組み、資本政策を重視した経営への転換を進めるとともに、引き続き「変化を大前提とした事業経営」と「海外事業と次世代事業による中長期成長戦略」を基軸とした成長基盤づくりを進めてきた。

 酒井重工業2022年3月期第1四半期データ

■連結地域区分別売上高状況

 国内向け売上高は、公共工事が堅調に推移し、前年同期比13.9%増の27億6千万円となった。

 海外向け売上高は、主要な市場で建機需要の回復が進み、前年同期比55.4%増の33億2千万円となった。

 北米向け売上高は、堅調な建設投資の下で減速していた建機需要が回復に転じた結果、前年同期比85.0%増の13億7千万円となった。

 アジア向け売上高は、ベトナムやタイ、韓国、中国などで経済活動が活発化し、前年同期比32.0%増の17億8千万円となった。

 中近東・ロシアCIS向け及びその他市場向け売上高は、営業活動が制約される中、オセアニア及び中南米市場が回復し、前年同期比3.7倍の1億6千万円となった。

■セグメント別状況

<日本>

 国内向け販売が底堅く推移するとともに、海外向け販売及び海外工場向け部品輸出が増加に転じ、総売上高は前年同期比33.3%増の47億8千万円、営業利益は同2.0倍の1億円となった。

<海外>

 米国では建機需要が回復に転じ、総売上高は前年同期比86.7%増の13億9千万円、営業利益は9千万円の黒字に転換した。

 インドネシアでは国内販売に底入れの兆しが見えるとともに、第三国向け輸出が増加に転じました結果、総売上高は前年同期比13.8%増の9億8千万円、営業利益は同3.3倍の5千万円となった。

 中国では米国向け輸出の抑制に対して国内向け販売を拡大した結果、総売上高は前年同期比99.0%増の2億5千万円としたものの、前年度生産の原価高製品在庫の影響で、営業利益は2千万円の損失となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 今後国内では、総額15兆円の防災・減災、国土強靭化の為の5ヵ年加速化対策、海外では中国、米国、EUを筆頭に世界各国でインフラ投資やグリーン成長戦略による大型経済対策が始まることから、新型コロナ問題が一進一退を繰り返す中、世界の建機需要は底堅い回復軌道に回帰して行くものと期待される。

 一方、ものづくり面では、半導体不足や調達部品工場のシャットダウンに伴う製造部材の欠品リスクや、鉄鉱石など資源価格やコンテナ運賃の高騰に伴う原価上昇圧力が高まりつつあることから先行きの予断は許さない。

 このような世界情勢の大転換期の中で酒井重工業グループでは、DX、SDGs/ESG、資本政策を通じた経営の変革を進めると共に、事業面では需要変化対応力の強化、米中分断に伴う米国事業と中国事業の収益構造改革、アジア市場深耕と北米市場展開、新技術活用による次世代事業の開発、活力ある企業文化づくりなど、新たな事業環境における成長基盤を固めていく。

 2022年3月期(2021年度)の連結業績は、売上高235億円(前期比8.7%増)、営業利益9億円(同28.3%増)、経常利益8億円(同21.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5億2,000万円と当初予想を据え置いている。

 酒井重工業の2022年3月期第1四半期決算短信

 第1四半期決算説明資料

 

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