・液中膜を用いた膜分離活性汚泥法(MBR)による処理方式を採用
㈱クボタは8月10日、100%子会社であるKubota Membrane U.S.A. Corporation(所在地:米国ワシントン州)が、米国ジョージア州「Big Creek水再生処理施設」(Big Creek Water Reclamation Facility)の更新事業において、クボタ液中膜を用いた膜分離活性汚泥法(Membrane Bio Reactor、以下「MBR」)による下水処理システムを受注したと発表した。
<案件概要>
施設名:Big Creek Water Reclamation Facility (Big Creek水再生処理施設)
所在地:米国ジョージア州フルトン郡
受注内容:クボタ液中膜を用いた膜分離活性汚泥法(MBR)による下水処理システム
MBR計画水量:12.1万m3/日(32MGD*) *MGD:Million gallons per day
受注日:2021年7月13日
稼働予定日:2023年11月(予定)
施設は、稼働から約50年が経過し施設の老朽化が進行していることに加え、処理対象地域であるジョージア州フルトン郡では、今後も人口増加が見込まれており、下水処理水量の増強が課題となっている。また、環境保全の観点から処理水の水質規制強化が図られており、従来の処理方式よりも高度な処理対応が求められている。
今回、フルトン郡に対し、クボタにおける米国最大のMBR施設『Canton Water Reclamation Facility(Canton市水再生処理施設)』等の施設見学を実施するとともに、クボタによる類似案件の実績、価格、ランニングコスト、技術提案などが総合的に評価され、クボタMBRを用いた処理方式が採用された。
なお、施設は米国におけるクボタMBRを用いた施設の中では、『Canton Water Reclamation Facility(Canton市水再生処理施設)』に次ぐ、最大規模のMBR施設となる。
クボタは、これまで世界で6,000件以上のMBRを納入し、排水処理に関するお客様の課題を解決してきた。今後も、過去に培ってきた技術や知見を活用し、水環境分野におけるインフラ構築などの事業を通じて、安全安心な水資源の循環や地球環境の保全に積極的に取り組んでいく。
■フルトン郡からのコメント:
フルトン郡最大規模の水再生処理施設拡張プロジェクトに、クボタの平膜*を導入できることを嬉しく思います。Big Creek水再生処理施設はジョージア州ロズウェル市に位置し、アトランタ地域で急速に成長している地域の一つである、フルトン郡北部地域でサービスを提供しています。フルトン郡では12年以上にわたり膜製品の利用を推進しており、膜製品は下流域で河川を利用される地域住民の方々にとっても、最良の排水処理方法であると考えています。クボタの近年の平膜技術の進歩は、既存の他の膜製品に比べ、高負荷時に安定的な処理を可能にするだけでなく、MBRシステムのメンテナンス性をさらに容易にするでしょう。
*平膜:膜ユニットには大きく分けて「平膜」と「中空糸膜」の2種類があり、当社が採用する「平膜」は、平面の板の両面に膜シートが溶着されており、膜シート間の通水スペースが均等に保たれる。一方、中空糸膜は、膜シートが中空の糸状に形成されており、通水スペースが変動する。