第1四半期における世界経済は、前年度後半から続くワクチン接種の普及や政府の財政政策、中央銀行による金融緩和等により、北米や欧州などを中心に回復基調を強めている。このような環境のもと、資本財受注や企業の設備投資意欲も高まっており、繰越需要も含め機械受注は高い伸びを示した。
■事業部門別状況
① 金属加工機械事業
<板金部門>
日本:日本経済は、外需の回復等により企業活動の正常化が進み、製造業の業況も改善傾向を示した。アマダにおいても足元では半導体製造装置関連やサーバーラック等の5G関連、医療機器やその他、幅広い業種において急激な需要回復が見られた。政府補助金効果による受注前倒しの反面、納期の長期化傾向もあり、売上収益については11,924百万円(前年同期比5.2%減)となった。
欧州:欧州経済は、移動制限等の緩和が進む中、GDPも概ね高成長が見られた。但し、設備投資については、原材料の高騰の影響等から不透明感も残っている。このような中、アマダでは経済対策などの政府支援も手厚いイタリアやワクチン接種が進んでおり需要環境も強いイギリスなどを筆頭に、ほぼ全地域で大幅増収となったことで売上収益は12,065百万円(前年同期比98.1%増)となった。
アジア他:ASEAN地域では、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大による移動制限、操業制限に加え、原材料の高騰を受け、設備投資の回復に遅れが見られた。また半導体不足による影響が自動車のみならず様々な業種に広がっていることで、アマダでも顧客の稼働に影響が生じ、販売は低調に推移した。一方で、いち早く経済の再拡大局面に入った中国においては、5G投資や再生可能エネルギー、インフラ関連投資などの内需に加え、不透明なASEAN地域からの転注により、呼吸器等の医療機器やエレベーター、アウトドア関連等の外需も拡大しており、販売は好調に推移した。この他、台湾や韓国、インドといったアマダの主要市場においても販売が回復したことで、売上収益は6,682百万円(前年同期比40.1%増)となった。
<微細溶接部門>
景気拡大の著しい中国において自動車電装品やリチウムイオン電池向けに抵抗溶接機の販売が増加し、アジア他地域の販売が大きく伸びた。また北米、欧州、日本においても電子部品関連向けを中心に販売が増加した。
② 金属工作機械事業
売上収益は11,053百万円(前年同期比29.1%増)、営業利益は904百万円(前年同期は営業損失296百万円)となった。
国内では建築関連向け形鋼加工機、電子部品・デバイス関連向け研削盤の販売が増加したが、主力市場である自動車関連向けの回復が遅れていることで、増加は小幅にとどまった。一方で、欧米においては、ワクチン接種の進捗、ロックダウン等の緩和により設備稼働の回復や新規の設備導入が見られ、販売が大幅に増加した。
主要顧客である自動車関連業界やその他の住宅などの建築関連業界において政府補助金の後押しもあり、プレスマシンの販売が増加した。またM&Aにより取り込んだ自動化設備と既存のプレスマシンを組み合わせた大型案件の販売も増加し、シナジー効果を創出した。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
第1四半期における受注動向について、北米や欧州などを中心に当初の想定を大幅に上回ったこと、及び第2四半期以降も堅調な需要が見込まれることから、2021年5月12日に公表した業績予想値を下記のとおり修正した。
売上高3,000億円(前期比19.8%増)、営業利益360億円(同34.8%増)、親会社株主に帰属する当期利益260億円(同40.1%増)。
予想の前提となる第2四半期連結会計期間以降の主要為替レートは、1米ドル=105.00円、1ユーロ=125.00円を想定しており、通期の平均レートは1米ドル=106.12円、1ユーロ=126.74円となる。